プチン、プチンと・・・
同年代の女性が集まるところで、彼女たちの襟ぐりに目をとめることが多い。そしてきれいで、つるっとした襟元の肌をうらやむのである。
六年まえごろから、首の下両側にポツポツとしたイボ状のものができ始め、そのときは皮膚科に行って、簡単にとれますよ、言われ安心したのだが、何と、マニュキア用のような細い鋏でプチンプチンと先っぽをちょんぎられたのにはびっくりした。
ほんの数個足らずだったから、瞬間の痛みで済んだのだが、最近になって、繁殖しはじめ、かゆかったり、ヒリヒリしたりするので、これは放ってほけないと、また、皮膚科に出かけた。
あのときと同じ中年の女医さん、ぱきぱきの物言いを、わたしは気に入っている。
なんだか、イボガエルみたいに増えていて恥ずかしい、とオズオズ言うと、先生、大丈夫ですよ、そういうひと大勢います、となぐさめてくれる。
じゃ、切りましょうか、と言われ、わっつ、こんなに沢山、両側で二十個近くあるのに、麻酔なしなのかとそれを問いかける間もなく、もう始まってしまった。
一個一個スゴイ痛さが走る。それはそうだろう、変形しているとはいえ、肉の先っぽなのだから。ああ、拷問されてるみたい・・・
さあ、きれいになりましたよ、お風呂入って大丈夫、あと、あと軟膏すりこんでおいてください、と感染症予防軟膏の処方箋が出た。
瞬間の痛みはモーレツだったが、赤く腫れているとはいえ、そのあとの痛みは起きていない。
赤い水玉模様のような襟元、痛々しいなあ、など、夫は同情してくれる。
歳のせいで、治りが遅いのか、赤みはさっぱり薄まらない。
けれど、いつか襟あきを気にせず、着替えできる日を夢みながら、わたしは、毎日鏡をのぞきこんでいる。
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