第32回夏季オリンピック大会開会式を観る
オリンピック開催には反対だった。ワクチン接種も終了しておらず、感染は増え続けるこんな中で強行するなんて、と。
おまけに間際になって、演出や音楽担当の主要メンバーの辞任や解雇など発生、一体どうなっているのかと、不快と不安は強まるばかり。
それでも開会式だけは、見届けようと最初から見始めた三時間半だったが、一度も終了ボタンを押すことなく、見続けてしまった。
お見事、よくやった、ご苦労様、お疲れ様、素晴らしかった、という感想である。
日本の底力、が湧き出ているのを感じた。
木やりもよかったし、真矢みきさんの棟梁ぶりも美しかった。箱を組み立て、動かしながらオリンピックマークを組みたてていく動きも少しも無駄なくスムーズで安心してみていられた。
選手入場もこれまで各国で行われた閉会式のくつろいだ感じをそのままあらわしていて、選手たちのありのままの感情によりそっている雰囲気が好ましかった。
アメリカとフランスが最後のほうだったので、まだ出ない、まだ、と見続け、腰が痛くなっていた。
総勢6000人以上、この大群を、このようにまとめ、引き受けているなんて、スゴイなあ、と思った。
この人たちが全部入場し終わって、それでも、六万人を収容できるというこの会場はまだ余裕のスペースが十分に残っている。真上の空所から色とりどりの花火が何度も放たれて華やかさを広げる。隈研吾氏の設計は本当に素晴らしい、まざまざと実感した。
橋本会長のスピーチは声が美しく、内容もよかった。バッハさんのは長すぎた。全部を聴かず、おソーメン夕食の洗い物とゴミの始末に充てた。
一番感動したのは、ドローンで組みたてたという地球である。小さなもの、という思い込みだったので、あれほどの大きさに集合したというウソみたいな現実にびっくりし、その美しさと技術の進歩に感動していた。
お家芸が出ないな、と思っていたら、海老蔵さんが成田屋の見栄を見せ、今一番のジャズピアノも聴けたし、それなのに聖火入場がまだ終わっていない、という意識につきまとわれながら、見続け、ああいう風に持っていくか、と、若い人も高齢者も、今、一番多忙であるべき医師と看護師の組みあわせで、最後は大坂なおみさん、いや、おそれ入りました、この構成と運び、大成功であった。
観てよかった、勇気をもらった、これなら何が起きても、なんとかちゃんと対処できる国、我が国、日本である。
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