務川さんのコンサート
唯一の外出先の教会でさえ、この暑さに負けて、休みがち、コンサートなど行けるだろうか。
その日も不調ではあったが、久し振りに会う友人との会話をせめてもの楽しみにでかけた。
おしゃべりは楽しかったが、食事がひどく、全部たべられずに残す。
サントリーホールは超満員、ほとんどが女性、プログラムは一番聴きたかった、ベートーヴェンのテンペストがバッハの次にあって、前半に聴きたいものが集中していて良かったと思った。
務川さんは出てくるなり後ろや横の席はほとんど無視、なんだか機嫌がイマイチ。
そのうえ、ピアノが鳴りだしたら、音がおかしい。かすかだが、不調和、調律のせいなのか、あのいつもの、澄んだ音が聞こえない。テンペストの聴かせどころも、あっという間に過ぎて、がっかりした。
休憩のときに、友人も音がおかしい、と言った。彼女は調律のせいではないか、と言っていたが、わたしはもうこれ以上聴いてもあとはショパンとフォーレが主だし、気分はよくない、もう、コンサートに来るのもこれが最後と思うほどで、先に帰ることにした。
帰宅してから、スティーヴン・コヴァセヴィッチのテンペストを聞いた。聴かせどころは何か所がある。それを、高みにもってきて、歌えばどれほどステキな演奏になるか知れないのに、残念だった。
この人間が住むのに極限とも思われる今年の夏は、あれほど聴きたい人が集まったのに、偶然が重なったのか、演奏をおかしくしてしまうほどの結果にわたしはショックをおぼえた。
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