具合の悪さ
内科は相変わらず空いていた。ここは先生が、白い紙を広げて、書きながら、説明してくださるので、何かとても安心できる。
一人男性が待っていた。先客も男性で、大声でしゃべっていた。そのひとはすぐ終わって、白髪頭の恰幅のいいひとだったが、寡黙な看護婦に向かってしゃべった。「本当に具合が悪いんだよね。ほんとなんだよ。家内にいくらいっても、わかってもらえない・・・」わたしはよっぽど、言ってあげたかった。
「ほんとにそうですよね、みんなそうじゃないんでしょうか?」
そのひとはずいぶんせいが高く、正面はわからなかったが、あの恰幅のよさでは、いくらうったえても、奥さん、わからないのだろう。いいな、具合が悪くても生きてられるんだから・・・
何にも気の利いた返事のできない、看護婦にいきおいよくそっぽをむいて出ていった彼。
さあ、次はわたし、便秘を先生の薬じゃなく、完熟アロエで治したことを、うまく話せるかしら?
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