2024年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
フォト
無料ブログはココログ

« みんな大変 | トップページ | 茨木のり子さんの詩 (続) »

2024年7月30日 (火)

茨木のり子さんの詩

恥ずかしいことだが、この歳になるまで、彼女のことを知らなかった。大写しになっている彼女の写真で始まる別冊太陽をぱらぱらとめくって、「わたしが一番きれいだったとき」という詩を見つけた。

この題に惹きつけられて詠み始めた一ページにわたる詩、それは題名から想像するロマンティックなものでなかった。

わたしが一番きれいだったとき

わたしの國は戦争で負けた

そんな馬鹿なことってあるものか

ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた。

・・・・・・

わたしが一番きれいだったとき

わたしはとてもふしあわせ

わたしはとてもとんちんかん

わたしはめっぽうさびしかった

 

だからきめた できれば長生きすることに

年とってからも美しい絵を描いた

フランスのルオー爺さんのように

                  ね

左パージは目のさめるように美しい着物姿の彼女がうつっている。彼女の詩にひかれた。そして最後の「ね」の位置にひかれた。

それ以来、この一冊は私の友人のようになり、彼女が料理上手だったことから、彼女の料理本一冊も手にいれて、毎日読んでいる。

わたしはこの詩のたたずまいに惹かれ、すっかり彼女のとりこになった。

« みんな大変 | トップページ | 茨木のり子さんの詩 (続) »

コメント

ばあばさま、茨木のり子さんの詩をご紹介いただきありがとうございます。
高校生の頃だったと思いますが、茨木さんの「自分の感受性くらい」という詩に出会い、
最後の3行のフレーズ、“自分の感受性くらい/自分で守れ/ばかものよ”に
心をノックアウトされたのを思い出しました。不平不満を外に向け、自分の内側にある
自己中心の思いを、なんのメンテナンスもしないで、感情をさびつかせてしまっている
のだということに気づかされました。
茨木さんの美貌、詩の表現ともに凛として憧れます。

《そして最後の「ね」の位置にひかれた。》
感性豊かなばぁば様健在!とうれしくなりました。共感してします。
ブログにも時々「無理」という文字が見えますが、いやいやブログ主のシャキッとした姿がうかびます!

ご主人様の写真を探して・・・の文章に胸が詰まりました。生涯を一緒に過ごしたことの重みですね。(そうなったときの自分を想像するのが怖いのです)

しおんさま
お久しぶりです。さすがでいらっしゃいますね。
高校のときからの、ファンでいらっしゃるとは、、、
私はまだ間にあううちに、彼女を知ってよかったと思っております。
もっか彼女の日常のお料理に、惹かれております。

しおんさま
お久しぶりです。さすがでいらっしゃいますね。
高校のときから、ご存知だったとは・・・
わたしはどうも詩と言うものが苦手で、積極的に読む気がしなかったのですが、これから改めなくては、と茨木さんを知ってから思いました。

ばあばさま、早速のお返事をありがとうございます。
もし、まだお読みになっていらっしゃらなかったら、ぜひ「倚りかからず」という
詩集のなかの『マザーテレサの瞳』という詩をお調べになってみてください。
無益な言葉が溢れすぎている現代人には、マザーの言葉が重く響きます。
茨木さんはお料理もお得意だったのですね。すばらしいです。

ちゃぐままさま
お力をいただき、お慰め頂戴していることを感じます。
ありがとうございます。

茨木のり子さん、懐かしく拝見しました。
「わたしが一番きれいだったとき」を知ったのは三十代の初めでした。
私も間をあけた最後の「ね」にしびれた一人です。
当時それを真似て友人に出す手紙に「ね」を用いて洒落た感じを
演出して悦に入っていました。

年老いて今なお失われない、ばぁばさまのその瑞々しい感性
なんて素敵なんだろうと改めて思います。

私は「花の名」が好きです。
当時勤めていた事務所の窓から泰山木が見え毎年花の時期には
その詩のことを思い出し自分の中で反芻していたことを懐かしく思います。

暑い日が続きます、どうかご無理なさいませんように。


>やまねこさん
>
>茨木のり子さん、懐かしく拝見しました。
>「わたしが一番きれいだったとき」を知ったのは三十代の初めでした。
>私も間をあけた最後の「ね」にしびれた一人です。
>当時それを真似て友人に出す手紙に「ね」を用いて洒落た感じを
>演出して悦に入っていました。
>
>年老いて今なお失われない、ばぁばさまのその瑞々しい感性
>なんて素敵なんだろうと改めて思います。
>
>私は「花の名」が好きです。
>当時勤めていた事務所の窓から泰山木が見え毎年花の時期には
>その詩のことを思い出し自分の中で反芻していたことを懐かしく思います。
>
>暑い日が続きます、どうかご無理なさいませんように。
>
>

やまねこさん
お久しぶりです。いつもブログ拝見していました。
茨木さんの詩、読んでいらしゃったのですね。
わたしは詩というものがどういうわけか、苦手で敬遠していたのでした。
間に合ってよかったです。
泰山木の花、匂いのことは知りませんでした。
相変わらずお料理を沢山なさっているようですが、どうかお身体お大切に。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« みんな大変 | トップページ | 茨木のり子さんの詩 (続) »