久しぶりの外食
珍しく、娘からの誘いで、孫娘が出てきているから、夜の食事を外で一緒にしないかとラインがあった。
しかも、昼間は夫の病院に行ってくれるという。私には休んでくれていいという有難い申し出だった。
場所をどこにしようかと言う話になって、近場の自由が丘で、待ち合わせも南口にしようということになった。
三人で外食なんて、一年ぶりぐらいだろうか。ここなら絶対おいしいという、スパゲティ専門の店にしたのだが、わたしはノロノロしていて、ナスベーコンのに決めたのがやっとで、彼等のようにデザートまできめておくのを、しないでいたので、娘が自分のプディングを多すぎるから、と言って半分くれた。
混んできて、騒がしい中で、気づいた。左の耳がほとんど、聞こえない。向かい合っている二人の私語はほとんど聞き取れなかった。そのことを娘に言ったら、そうみたいね、とわかっているのを、言われてしまって、このところ、老いを感じることが多く、情けなく思った。
もう86歳なのだから、仕方がない。
ときどき自分の手を見る。なんと、青い血流の空けた哀れな手であろうか。こすって、マッサージをして一瞬何もないかのような手になるが、すぐまた元のあわれな手に戻る。
よく働いた手だ。以前はピアノまで弾いていたのだから。
料理が得意の手でもあった。
近頃は料理の作り方を忘れる、手でもある。すぐパソコンの前に座って、グーグルを呼び出す。一度見ただけではダメで、二度、三度と見直す。それが面倒だから、作るのを辞める、というのではない。自分の味は絶対においしいから、何度でも見直して、完全な、いや、完全に近いものをつくる。
これが面倒になってしまって、何もかも、面倒になってしまって、老い逝くのはいつのことだろう。
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本日 六球会 幹事の小西殿より ご主人の訃報に接しました。
容態はブログ から拝見しておりました。
全く学生時代から長いお付き合いをさせて頂きました。寂しさは例えようもありません。
如何か残されたご遺族の皆様のご健康を祈って居ります。
32年卒 増田 弘
投稿: 増田 弘 | 2024年4月11日 (木) 14時50分