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2023年10月19日 (木)

メイ・サートン『総決算のとき』をスゴイ速さで読む

図書館で借りた、あと二冊のうちの、『総決算のとき』はもうパラパラとめくって終わりにしたいと思った。

それほどに前に読んだ二冊が重く、読み終わるのが大変だった。

ところがパラパラとはいかないほどに、三冊目が正に知りたい主題であったのだ。

総決算とは、人生の総決算で、主人公のローラは肺に二つの癌をわずらっていて、あと一年ももたない命と宣言されてしまうのである。

症状は徐々にひどくなったくる。その過程が医学的にも実にくわしく、述べられていて、目が離せない。しかも、彼女の病気を知ったひとが次々に現れてかわされる、会話が具体的で、心理の動きがまざまざと伝わってくる。

結局、以前の二冊は読み終わるのに、一週間ぐらいかかったのに、この本は三日で読み終えた。

母親はかつて社交界の花のような存在であったが、今は一人で老人ホームに入っている。母親より先にこの世を去らねばならないことを、娘だと認識できない母に知らせる。

母の姉妹たちに、真実を語り、彼女らの素性も明らかになるような設定、一番最後は自分の娘、女の子は男の子に比べてはるかに育てにくい。娘と母親との間に存在するあの緊張は何なのだろう、という疑問が語られるが、それが事実だとうなずいた。

死を前にした恐怖の原因は死そのものではなく、死んでいく過程なのだということを、わからせてくれる。

こういう主題に取り組み、それをいかに具体的に述べるか、物語的にも、語りが雄弁で、読者の心をわしずかみにするコツのようなものを、このひとは心得ている、それを随所に感じながら、読み進んだのであった。

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