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2023年6月に作成された記事

2023年6月26日 (月)

ベビー用品売り場へ

曽孫が生まれたというニュースがあった。

予定日より一週間早い夜中、孫息子の弾んだ声だった。

送られてきた動画の写真は生まれたばかりとは言えないような表情を伝えてきて、何度みても、見飽きないほどだ。

自分がこんなに、曽孫にのめり込むとは思われなかった。

お祝いは?と娘に訊くと、足元が悪いんだから、お金で結構、という返事だったが、わたしはどうしてもベビー用品売り場に行きたくなった。

二子の高島屋に行く。まだベビー用品売り場はあるのだろうか。五階にあった。小さな売り場だ。

何十年ぶりだろう。三十年ぶりだ。小さなよそ行きの一枚は八千円以上もした。それに似合う涎掛けと、ガーゼのハンカチと、縫いぐるみ、

それらを包む袋締めて一万六千円也。

楽しい買い物だった。

帰りの道でお洒落をして歩いている人を見たら、なんとブリッジパートナーであった。私の顔を見て、アッと驚いた表情をしたので、死んだと思ったのでしょう?と言ったら、言葉を濁していたが、本当に驚いていた。

私の病気は聴いただけで、もう危ないのではないかと思えてしまう。思いがけない出会いであった。

タクシーもつかまらず、バスで帰った。それほど疲れたわけではなかったが、横になったら寝てしまった。

目覚めたら、また元気が出て、夕飯に買ったエビを始末する気がでてきた。

だんだん元に戻っているという気がしている。

 

2023年6月19日 (月)

コンビニのうわさ

久しぶりにマッサージをしてもらいに出かけた。

腕ぞろいのところなので、指名はせず、凝りで固まっているところを押しながら治すというようなやり方をする若い男性のひとにしてもらうことにした。

彼はコンビ二オタクらしいのだが、セブンイレブンが抜きんでていると語った。コンビニっぽい味がしてない点でも、違うのだという。

わが家から近いところではローソンがあって、おかずの種類が抜群に多くなっている。コンビニ同士の競争は、かなり激しくなっているらしく、オタクのひとは、食べ比べして結論をだしているらしい。

たとえば、これから結婚する若いひとたちは、住むところをセブンが近いことを第一条件にしている。

この頃自分のつくるものが、失敗が多くなってきている。お砂糖と塩とを都合で新しいものに替えたら、入念に味見を繰り返しても、最終的な味が違ってしまうということを繰り返している。

冷蔵庫の野菜も、数を減らすのが疲れてきた。

週一日ぐらい、セブンだけにしてみようか、と、思うのだが、どうだろう。

2023年6月14日 (水)

リモコンの行方

二階のエアコンのリモコンが行方不明だ。

夫に使い方を訊いたのは覚えている。十年以上も前のものなので、大きくて古めかしい。

夫の手あかもついたままの、古いタイプで、夫は使い方を覚えていて、いつも一番よくつかう「さわやか」という場所にセットしてくれて、渡してもらった。それがなくなってしまった。二階へもっていったのは覚えている。しみじみ眺めてよく使いこんだものだと思った。

なにしろ、二階と一階を行き来して、どちらに置いたものなのか、思いだせない。

困った。

このまま、見つからないのではなかろうか。思い切って新しく注文しなければならないのか。ともかく気になる。自分で置き忘れそうな場所をすべて探した。でも見当たらない。困った、困った。

ともかく一晩寝て頭を新しくしなければ。気になるけれど、疲れて、眠ってしまった。

朝、起きて、トイレのまえに座った。そこに、タオルなどを入れてある篭がおいてある。タオルのほかにも脱いだ衣類などが入って満タン、ふと、触ってみたら、あった、リモコンが。

あった、と叫んだ。

夫が、そうか、よかったね、と言った。

2023年6月12日 (月)

知らない人との会話

バス待ちしている人に話しかけられた。バスがなかなか来ませんね、という話から始まって、自分が88歳だと言った。わたしも自分の年齢を言って、病気が治ったばかりだと話した。お元気そうですね。と言うと、病気で寝込んだことはないのだが、左腕がポキンと折れてしまったのだ、という。なるべく使わないようにしているのだが、大変なのだそうだと、肩をかかえるようにして言った。

帰りに、タクシー待ちをしていたら、後ろに上品な感じの婦人が待っていた。なかなか来ませんね、と言うので、わたしもうなずいた。田園調布のバス待ちのひとから、話しかけられるのは珍しい。

自由が丘の店がなくなるのが、寂しいと言った。ほんとに、新しくなるころまで、生きていられるかと思うというと、その人は大きくうなずいて、わたしもそう思いますと答えた。田園調布中央病院が新しくなるのだが、それまで生きていられるかどうか、と、わたしが言うと、本当にそう、と彼女も言う。

こういう、どうということもない話を、知らないひとと、話し合うのは、珍しい。一日に二度もあるなんて。

それも、卑近な例を話して、なんとなくほっとしたのだった。

2023年6月 5日 (月)

「病が癒えた者の神への聖なる感謝の歌」

およそ半年ぶり以上のご無沙汰、サントリーホールである。

きょうは大ホールではない、手前の室内楽用の小さいホール、ブルーローズが目標、7時から開かれるベートーベンの弦楽四重奏、エリアス弦楽四重奏団、来てみて驚いたのだが、ベートーベンの弦楽四重奏全曲演奏の第一夜なのであった。

ベートーベンが聴きたい、が先にあって、チケットを買ったのだが、ブルーローズはほぼ満席で、全曲演奏をすべて聴きたいという人ばかりが集まっているという感じである。

最初の音が鳴ったときに、すでにこれはスゴイ表現力だということ、耳が吸い寄せられるような音、メロディーを弾く第一ヴァイオリン、伴奏を引き受けているチェロは独りで二人とも女性、男性が一人入っているが、三人の女性も一人の男性も、四種の音量が、一つとなって、弦楽という音を作り出している。ブルーローズはまさに四人の演奏を引き立てるのにちょうどよい大きさの会場であった。

最後の第十五番、イ短調、作品132の第三楽章は「病が癒えた者の神への聖なる感謝の歌」と称する、弦楽四重奏の中核を成す役目を持っており、わたしの状況を正に語っている。なにも知らずに来たのだが、わたしの今を語っているようではないか。

静かな喜びを語るような出だし、それが徐々に激しくなって、高らかに歌う。

聴いていて涙が出てきた。

夜の九時を過ぎて万来の拍手と共に演奏は終わった。

サントリーへは電車で一本で来るのだが。夜は長い。帰り着いたのは十時過ぎ、タクシーは拾えなかった。もう夜のコンサートは無理だなと思った。

でも、表題の歌が聴けただけでも、奇跡のように思われてならない。

 

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