ベビー用品売り場へ
曽孫が生まれたというニュースがあった。
予定日より一週間早い夜中、孫息子の弾んだ声だった。
送られてきた動画の写真は生まれたばかりとは言えないような表情を伝えてきて、何度みても、見飽きないほどだ。
自分がこんなに、曽孫にのめり込むとは思われなかった。
お祝いは?と娘に訊くと、足元が悪いんだから、お金で結構、という返事だったが、わたしはどうしてもベビー用品売り場に行きたくなった。
二子の高島屋に行く。まだベビー用品売り場はあるのだろうか。五階にあった。小さな売り場だ。
何十年ぶりだろう。三十年ぶりだ。小さなよそ行きの一枚は八千円以上もした。それに似合う涎掛けと、ガーゼのハンカチと、縫いぐるみ、
それらを包む袋締めて一万六千円也。
楽しい買い物だった。
帰りの道でお洒落をして歩いている人を見たら、なんとブリッジパートナーであった。私の顔を見て、アッと驚いた表情をしたので、死んだと思ったのでしょう?と言ったら、言葉を濁していたが、本当に驚いていた。
私の病気は聴いただけで、もう危ないのではないかと思えてしまう。思いがけない出会いであった。
タクシーもつかまらず、バスで帰った。それほど疲れたわけではなかったが、横になったら寝てしまった。
目覚めたら、また元気が出て、夕飯に買ったエビを始末する気がでてきた。
だんだん元に戻っているという気がしている。
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