オタフクナンテン
二度目の植木仕事は梅雨入りのまえ、晴れた日の三時間足らずで、済ませてもらうことができた。
カリフォルニアジャスミンを抜いたあとどうするかは、近所のマンションのまわりを囲んでいる赤い葉の混ざった低木と同じものをと、わたしが決めた。現物を見てきた若い植木職のKさんは即座に、オタフクナンテンだ、と言い当てた。おかしな名前だと思ったが、漢字にしてみたら、お多福、だから、縁起がいいかもしれない。
カリフォルニアジャスミンがなくなったあと、全貌を見せたアジサイの枝は思いのほか細くて、ジャスミンをしのぐ強さを持っているほどとは見えず、実は低木に支えられていたのだという実情をあらわにした。植物の世界にも、支え合いはあったのだ。
蕾が開き、二十数個が咲きそろったアジサイの上部は重そうで梅雨の大雨にも耐えられるように、Kさんは、ジャスミンの列のそろえに使われていた短い棒を組み合わせて、新たな支えをつくってくれた。
モッコウバラはシュートが次々伸びて、切り取るのが大変だったが、短くすっきりと刈りこまれたので、その手数がしばしなくなった。
その代わりに夏の終わりまで、オタフクナンテンに水やりをするという仕事が生じている。梅雨のあいだ、できるだけ雨の日が多い事を望む。
5年ぐらいで、灌木の形はしっかりするそうなので、なんとかそれまで長生きできれば、と、いまは願っている。
« アルゲリッチを聴く | トップページ | 手作り握り »
« アルゲリッチを聴く | トップページ | 手作り握り »
コメント