英語を話す
近くの文化センターには、介護の包括センターの事務所もあるので、そこを訪ねたときに、ロビーの壁を埋めている会員募集のポスターが目について、眺めていたら、英語を話しませんか?という見出しに注目、シニア歓迎の文字が心に残り、連絡先をスマホに残した。
電話して詳しい内容を訊くと、七十代の女性が四人、教師役はウエールズ出身の六十代の男性という情報を得た。こちらの略歴を訊かれたので、話すと、それはレベルがあまりにも違う、がっかりなさるかも、と言われてしまったのだが、レベルは関係なく、ともかく英語を話すチャンスを探しているのだと、納得してもらって入会して、もう二か月を経ている。
ウエールズ出身の教師は独特のアクセントで早口、しかもマスク越しだから、ヒアリングが大変、ほかの四人はそれぞれとても知的な人たちだとわかってきたが、英語が専門でないため、あまり積極的にはしゃべらない。沈黙が漂うと、時間がもったいないと思ってしまうので、指名はされないのにしゃべるのは差し出がましいが、質問という形にしようと挙手し、疑問に思っていることを話すチャンスにした。
教師はとびきりの料理上手らしく、料理の話になると、しゃべりがとまらなくなるほど、ウエールズ独特のケーキなどもスマホにレシピを入れたものを見せてくれたので、先日トミーズで購入したわけである。
早速作ってみた。ドライフルーツ二袋分ぐらいに砂糖をまぶし、紅茶に浸して冷蔵庫に一晩ねかし、ベーキングパウダーとスパイス入りの粉に玉子一個分を混ぜて加え、およそ60分オーブンで焼く、というレシピ、出来上がったものはかなりカタいケーキで、日持ちはしそうだが、甘すぎて、おいし~い、という代物ではなかった。
きょうはそれを一口ずつくらいに切って持参してそれぞれの意見を訊いた。教師は砂糖をへらし、ヨーグルトなどを加えたほうがいい、という感想、それを早く言ってほしかったのに…夫が、わたしがいつも作るケーキに勝るものはない、と言ったということは、公表しなかった。
でも、食べ物を口にしたことでお互いの親密さが増したような気がする。
テキストも以前はハイスクールレベルの、アメリカ風、あくどいイラスト入りのものだったが、せっかくイギリス英語が聴けるのだから、英国製のテキストが望ましい、と希望を述べたのを覚えていてくれたのか、とても上質のテキストに変わり、レッスンは大いにレベルアップした。
このところ、いろいろな記憶がうすれがちなので、週一度二時間、緊張して学ぶのは、とても貴重な場であることを実感する。
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