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2022年4月 1日 (金)

言ってしまって悔やむ言葉

新幹線の復旧がまだなので、車で山形から戻った孫が、我が家のパーキングスペースに車を残し、コンサートで贈呈されたという巨大な花束を、ばぁば、もらってくれる?と置いていった。

カスミソウに囲まれた中に黄色と赤のバラ十本、大輪のユリ六本、カーネーションの大小、白、ピンク、オレンジ十本、ガーベラ6本、名前のわからぬクリーム色の花七本、どういうセンスでこういう取り合わせになるかというそれを見ながら、この花々の整理と、これが入っていた大きな、カタい箱の始末がシンドイと思った。とりあえず、生前黄色いバラが何より好きだった義母のために仏前にそなえ、ユリをひとまとめにして玄関にかざり、赤いバラとクリーム色の花を私の部屋の窓辺に飾り、カスミソウとガーベラをキッチンの窓辺に飾ったら、ありったけの花瓶を使い果たしてしまった。残りは、お掃除に来てくれた花好きのSさんが喜んでもらってくれたので助かったが、へとへとになって、しばらくベッドに横になっていた。

巨大な箱はそのまま玄関に置きっぱなしにしておいたらいつのまにか、息子がたたんで小さくまとめてくれてあった。

孫からの、またばぁばのご飯食べに行くね、というメールを見て、十数年まえから告げられるこの言葉に、いつでもおいでと返事をしていたのだが、今は違う、と思った。置きっぱなしの車のバッテリーが上がってしまうのではないかと不安がっている夫の言葉を伝えるために電話をして、そのとき、今は毎日家事をするのがやっとで、ご馳走するごはんがつくれそうもない、昔のばぁばとは違っていることを話した。

もう少し伝え方があったのではないか、と悔やむ心があって、マッサージに行ったとき、いつもの施術士の女性にそのことを話した。「奥さんは声がはっきりして元気そうだから、安心してしまうかもしれないけれど、マッサージしているわたしは、ぎりぎりだということが、よくわかります。お孫さんにおっしゃって正解ですよ」と言ってくれた。

このところの楽しみは録画しておいた「三日間まるごと刑事フォイル」を毎日一回か二回、観ること。アンソニー・ホロウイッツの脚本は圧巻で見始めたら、目を離すことができない。戦時下の英国、食糧難、空襲の恐怖、家族同士の軋轢、戦後の復興への困難、変化についていけない家族と、戦争という恐怖の体験の心に与える影響、それがどれほど人の心をむしばむかが、ホロウイッツの表現では「心の火傷」という言葉にもあらわれているのだが、私の七十年まえの経験のような直接的なものではないとしても、毎日テレビに映し出される映像は平静な気持ちで観てはいられないし、それに加えてコロナ禍はまだ終わってはいないのだから、私たちすべては、心の火傷を共有している。

そういうときに口から出てしまう言葉に、どれほど悔いが残るか、朝ドラの「カムカム…」もラストが近いが、やはり、これがドラマの芯になっていると、うなずきたくなってくる。

 

 

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心と体」カテゴリの記事

コメント

悔やまないでください! 言ってくださって本当に正解です。言いにくいことをきちんと伝える。
簡単なことなのに、とっても難しいです。いつも自分が正しいとは限らないから、人の意見もありがたく聞く。間違っていれば素直に反省。 
ばあばさまご夫妻は、私たち夫婦 71歳と75歳 お手本なんです。
美味しいマーマーレードの記事からずっと愛読させていただいています。本当に尊敬しかありません!無理しすぎです!頑張りすぎです! 頭が柔らかすぎます!

音楽の情報もとっても楽しみにしています。
N響のチェロの主席の辻本玲。団員でないのに時々、麻呂の横で弾いてる、郷古廉 ごうこすなお
ソロでも活躍しています。聞いていただきたいです。

心より同意致します。花も頂けば嬉しいのですが、箱の整理は、しんどいですね。お届け物で気が重くなるのは、段ボールの処分です。一つ一つが身軽に出来ません。身内や友人を呼ぶにしても気持ちはあるものの料理が以前のように手早くできません。つい、億劫になります。それに折り合いをつけて、自分のペースで生活するのが良いと思います。何事につけ、ゆっくりです。お孫さんもきっと分かってくださるでしょう。

前のコメントに同感です
ご自分を責めないでください。 しんどい時は無理しない、自分を甘やかしてよい、
10年以上前から持病と仲良く共存している私の今の気持ちです。

ウクライナのことなど見るたびに、涙ぽろぽろしながら 桜を見ても心から楽しくなれない
この頃です。

ばあばさま
「心の火傷」とは、とても重く、インパクトのある言葉ですね。
聖書のヤコブの手紙3章に「舌は火です」とあるのを思い出しました。
また、「小さな火が大きな森を燃やす」という記述も併せて。
ひとことの重さが「カムカム‥」の芯となっていることとも併せて、
深く考えさせられました。

でも、たとえ言い出しにくいことであっても、後々の良好な関係性を
考えるなら、はっきり伝えるのは良いことだと思います。ましてや、
ばあばさまのことを大好きなお孫さんなら、分かってくれるはずですもの。
むしろ、大正解ではないでしょうか。私はそう思います。

kagawaさま
ご訪問ありがとうございます。
がんばり過ぎというよりも、好奇心が強いので、あちこち、調べものが多すぎるので疲れます。
これからは「ええかっこしすぎ」しないで、のこされた余生をまずは自分の身体第一主義で生きたいと思っています。
N饗は音大の優等生ばかりのせいか、感動したことがあまりなく、すすんでコンサートに行くことがないのですが、マエストロ・ルイジが常任になられたようなので、演奏が違ってくるのでは、と期待しています

aiaiさま
孫が大げさに報告したのか、娘が駆けつけてくれたのですが、差し入れしてくれたカニコロッケとポテトコロッケは夫の好物でも、わたしはあんまりで、食べ物の好みが違いすぎの老夫婦のむずかしさを、あらためて感じた日でもありました。

sizuさま
持病を持っていらっしゃると語られ、感情移入大でした。
私も桜を見ても、心が華やぐほどではなく、もっと花を見たい、という気持ちにもなれません。
なぜ、今年は予期せぬほどに早く満開になり、散りどきを急いでいるのか、と思ってしまう日々です。

しおんさま
何と素晴らしい知識をお与えくださったことか…ヤコブの手紙にこれほどの言葉が記されているのを知りませんでした。
三章は読みごたえがありますね。
今日は教会で「神の言葉を内に持つ」というお説教を聞いたのですが、ヤコブの手紙の意義をしみじみと感じました。
お励まし、うれしく、そしてみ言葉の知識をいただきましたこと、深く感謝いたします。

お花の整理、お疲れさまでした。
でも、そんなにたくさんの花をもらうほどに、コンサートが正常に行われていることに心から嬉しく思っています。
私はまだ現地に行く勇気が出ないけど、皆さんが音楽を大切にしくださっていることにほっとしています。音楽の技術を維持していくためにも、演奏の機会は大切です。
払っても払っても付きまとうコロナ禍。せめてインフルエンザ並みになることを祈っています。

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