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2022年3月 2日 (水)

久しぶりの外出

昨年のショパンコンクールで一躍注目を浴びた、モーツアルトの歌劇『ドンジョヴァンニ』の「お手をどうぞ」のアリアを、なんとしてでも舞台で聴いてみたいという望みが、意外にも早く叶った。新国立劇場オペラ研修所終了公演がこの演目を上演することを知ったからである。

いつものオペラパレスではなく、小さいほうの中劇場で五時からという公演、楽しみにして出かけた。オペラのときの食事はここ、と決めていた『マエストロ』が閉めているので、考えた末、三時ごろから出かけて、渋谷の東急プラザの京都の蕎麦店『竹之内』で食べて、あとは中野行きのバスでオペラシティ南まで行くというコースにした。これが当たりで、竹之内の「赤鶏とセリのつけ汁そば」は絶品の味で久しぶりにおいしいものを食べた幸せを味わった。

オペラの出来もよかった。演出、演技指導は近頃注目している粟國淳氏である。プログラムに書かれている彼の文章、「喜び,悲しみ、怒り、不安、猜疑心という人間の感情、豊かな感性、生きる上での人生の闇、そして暁…」が繰り広げられるアリアに次ぐアリアのメロディの変幻自在の美しさに酔った。2ab666debe965bad9c46410927373ec6

コートとスカーフを膝にのせ、飲み物入りのエコバッグを支えつつ、オペラグラスをのぞいていたら、手が滑って、二度も下に落としてしまったり、三時間の長丁場に耐えるべき腰がめずらしく痛みはじめ、このまま、大丈夫かしら、と思ったり、オペラ鑑賞もそろそろ終わりに近いかなという悲観的感情が交錯しながらの、時間だったが、ともかく若いひとたちが、気持ちをそろえて、歌いきった三時間の舞台に満足した。このところおうちごはんで倹約して貯金がたまっていたので、帰りはタクシーを張り込んで早い帰宅ができた。

 

このオペラ、実は十数年以上まえに、英国を代表するバリトン、サイモン・キーンリーサイドが来日してドンジョヴァンニを演じたのを、聴きにいったことがある。期待が大きすぎたのか、まったく感動せず、長時間の舞台に飽きを感じただけだった。彼、長旅の疲れが出ているのではないだろうか、と、友人と話し合ったりしたものだ。

帰宅してから、それを確かめたくなってYouTubeを検索した。キーンリーサイドはやはり迫力不足、圧倒的なのは、若き日のまばゆいように美しいネトレプコのツェルリーナとデンマークのバリトン、ボースコウフスの二人の「お手をどうぞ」、傑作で笑ってしまったのは熟女となったネトレプコが四人のドンジョヴァンニから、花束大小、植木の花、花車を持参した彼らからせまられ、「アンディアーモ(行こうよ)」とさそわれ、最後は舞台上で、タクトを振っていたドミンゴが大声で「アンディアーモ」と叫ぶという一幕の画面。

 

これからの若いひとたちの舞台に堪能し、帰宅してからYouTubeで検索を楽しむ余裕を得て、ここのところの生活の苦労が溶けて行くのを感じた一日だった。

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