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2022年1月 5日 (水)

独特スタイル、横山幸雄ピアノリサイタル

彩の国さいたま芸術劇場は、蜷川シェクスピアの『ペリグリーズ』を観に行ったことがある。今から19年まえのことだから、どういう交通手段を使ったかが定かではない。ただ、京浜東北ではなく、埼京線で行ったような記憶がかすかにある。

今回、横山幸雄ピアノリサイタルに行くのに、なんとなく、京浜東北のほうが、行きやすいような気が、してしまったのは、北浦和からバスが頻繁に出ていて、十五分ぐらい乗ったあと、徒歩二分というのが気に入ったからだ。それが間違いのもとだった。

たしかに建物は見えている。徒歩二分ぐらいのところにそびえている。それなのに、劇場の裏側なので、まわりは駐車場でなかなか表玄関に出ない。今回のポスターも出ておらず、会場に着くのが、ずいぶんとややこしかった。

そして渡されたプログラムを見て、唖然としたのだ。なんと、午後1時半から始まって終演時間7時なのだ。最後までいられそうもない、初めからそう思ってしまった。Img_2930

 

チケットを買うとき、後部の選択もあったのに、少しでも前で聴きたい、と思ってしまって、前から三番目の右端に近い席、この劇場、音響が演劇向きなのか、なんだかピアノのフォルテの音がグァン、グァン響いて、耳が疲れるのだ。

横山さんと若き仲間たち、すなわち愛弟子三人と共につくるプログラム、これは確かに興味深い企画だったが、ピアノ公開レッスンというのが、マイクを持った横山さんの声だけがよく聞こえ、質問に答えるお弟子さん二人の声はまったく聴きとれず、先生がどれほど技量がすぐれているかを、誇示しているのだけが、印象に残り、公開レッスンはテレビ向きで、劇場向きではないという印象が残った。そして、これがなければ、プログラムはもう少し短時間にしぼれたのに、とさえ、思ってしまった。

 

一番素晴らしかったのはバラード全曲演奏、その前のプログラムで先生からいろいろ指摘されていた、二人の演奏も、見違えるほど見事で、そして待ちに待った務川さんのバラード三番は音の冴えが一段と素晴らしく、どんなにフォルテで弾いても、グァン、グァンしない美しい音であるのにほかの人との差を感じた。音のタッチがそれほどに独特の秘術を心得ているのか、ともかく初期の目的達成、この音を聴きたかったのだ。でも第四番の横山先生も、締めにふさわしい、三人の教師にふさわしい、独特の完成度でさすがの音が鳴っていた。

連弾は横山先生が左に座って、伴奏の役なのに、速度をリードしてしまうので、ブラームスのハンガリー舞曲はかなりスピードが速すぎて、お弟子さんは苦労しているようだった。

務川さんのときは、横山先生もその技量を認めているらしく、彼は、うまいから、と繰り返し言っていた。横山幸雄氏の編曲だったので、カルメンがちょっと近代風の音になっていて、好みを言えば、あの序曲と闘牛士のトレアドールの主題だけは、美しい和音の達成度を聴きたかったのに、ちょっと残念、でも務川さんの右側リードは本当に立派で、その残念さを消すに値するほどの曲想を完成させていたと思う。

 

横山先生の独奏を聴くには疲れすぎていて、帰途の道が不安でもあり、残るのをあきらめてしまった。受付のひとたちは、このあたりにくわしくなく、道案内もおぼつかない。

路ももうすっかり暗く、店も開いておらず、いかにも地方の大通りという感じ、仕方ない、今度は与野本町に出ようと歩いていたら、ちょうどタクシーが通りかかったので、乗り、なんとか京浜東北に行きたいのだけれど、と言ったら、与野駅に連れていってくれた。

 

横山氏も大変だな、あれほど弾きまくって、このあと、五曲も大曲を弾くなんて、と人気ソリストの体調にまで思いを馳せてしまうほど、この日の聴衆の疲れもどっと出てきた夕暮れであった。

 

 

 

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コメント

さぞやお疲れになったことでしょう。彩の国芸術劇場にはるばる務川さんを聴きにいらっしゃったのですね。あの与野本町という駅、本当に不便なところです。私も2月に森谷マリさんの独唱会に行くことにしてますが、交通手段が悩みです。ばあば様は、務川さんのピアノの素晴らしさを実感されて、それは、やはり良い機会だったと思います。今年も素敵な音楽に出会い、楽しみましょう。

ご理解くださり、ありがとうございます。
与野本町にいらっしゃるのが、正面入り口にたどりやすいので一番だと思います。
新宿から埼京線ですね。

我が家からは蒲田に出て京浜東北が行きやすいと思い込んだのが間違いでした。
あの劇場周辺は日が暮れると、辺鄙感が強まり、不安が増します。

それにしてもこのところ、いいプログラムが多いんですよね。小林愛実さんとか、チャクムルとか。
但し、チャクムルは中止になったようですが…

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