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« ショパンコンクール2021、ファイナリストは確実の二人 | トップページ | ショパンコンクールの優勝者に驚愕 »

2021年10月19日 (火)

本選の完成度

朝起きて、本選出場の反田さんの、協奏曲1番に聴き入った。雑念が入る余地なく、集中して音楽の中に入り切らせてくれるほど完成度が高い演奏だった。一貫した音の美しさ、自分を目立たせることなく、ショパンの音を、オーケストラと一体になって高めている。

二次、三次と、沢山の独奏曲の演奏を聴いてきて、この協奏曲はそれらの行程を完成する、究極のむずかしさを秘めているのを感じた。ショパン自身がたどった人生をも表現する責任がこもっている、重要な試練だ。反田さんは、自らポーランドに留学し、寝る間も惜しんで、ピアノに向かった。

その高みがこの、美しさとなって表現されている、日本人魂だと思ったら、涙が出てきた。

終わって割れるような拍手と、歓声と、スタンディングオベーションもかなり見られた聴衆の反応は正直にその賛辞をあらわしていたと思う。

NHKで「ショパンコンクールのレジェンドたち」という好番組を見た。ブーニンの軽わざのような演奏は当時、すさまじい、反響を呼んだが、彼は結果的に、演奏者としての力量は長く続かなかった。

ショパンの曲の演奏は人間わざとは思われないほどの、演奏術が目立ち、それが話題をさらうけれども、総合的には、ショパンが何を語りたいのか、真摯にたどるのが、正しいのだと思う。

ちょうど人生を生きていくのも、そのことが大事であると同様に。

審査の結果はどうなるだろう?

もうプロの演奏者として成功を収めているひとに、また栄誉を足すだろうか?

それともこれからという、未知数を秘めた才能のほうに、賞を与えるだろうか?

コンクールは最後まで興味を引きずってくれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

「ショパンコンクールのレジェンドたち」私も観ました。
本当にそうですね、ブーニンの軽業のような演奏は
当時もてはやされて、ピアノに疎い私も来日した時の
熱狂的な様子は覚えています。
そう言えばいつの間にか見なくなりましたね。
よぼよぼになって来日したホロヴィッツとは対照的です。
ばぁばさまのショパンの考察、本当にその通りだと思います。

反田さんの協奏曲は本当に素晴らしかったですね。
奇をてらったところなど微塵もなく心の中に
染み入るように入ってきました。

結果がどうであれ楽しみです。


ブーニンは演奏を聴きにいったのをおぼえています。彼は亡命のことなどで、いろいろな苦労があったようですね。すごい才能はあったけれど、ショパンコンクールの後先で力を出し切ったのか、結局日本が好きになって日本人女性と結婚し、教師として落ち着いたようです。演奏家向きではないのでしょう。アメリカのクライバーンもチャイコフスキーコンクールで優勝して、話題になり、私たちがちょうどアメリカにいたころ、凱旋公演のリサイタルがあって、聴きに行きました。彼もあまり海外演奏などをせず、自分の名前を残したコンクールはあるものの、演奏者としての功績はないようです。
反田さんのあとずいぶん若手のひとが弾きましたが、スペインのひとが人気があったようですね。
同じ曲を何度も聴くとメロディーが入りすぎていて、良し悪しの判断がつけにくくなります。
明日早朝、どういう審査結果がでるのか、もう予測がつきにくくなってしまいました。

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