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2021年7月12日 (月)

新国立劇場『カルメン』を観る

『カルメン』は積極的に観たいオペラではなかった。悪女が主役のストーリーが好みでないし、聴きなれすぎている序曲のメロディも、うんざりだと思っていた。それなのに、行こうかという気になったのは、大野和士さんの音楽を期待したからである。

 

舞台一面を鉄パイプの足場の様なセットが組まれていて、その主要部分が上下して、内部でストーリーが展開するという、斬新な舞台美術。

 

いつもの一番気に入っている座席、Lの五番という、張り出した中二階の最前席、オーケストラピットの内部がよく見えるのがうれしい。

その効果が十分すぎるくらいの感激が生まれた。

 

悪女カルメンの魅力も歌唱力も今ひとつだったし、相手役のドンホセは背丈が足りず、テノールの声の伸びが十分とは言いがたかったし、エスカミリオも迫力不足ではあった。

けれども、60人以上がぎっしりつまったオケが発する強烈な音色が歌手力を補って余りある音楽をひびかせてくれたからである。Photo_20210712094701

 

ビゼーの音楽の美しさは、歌手の歌唱力に頼るものだけではなかったのだ、ということがわかった。オケが主役で、歌手たちと舞台はそれを支えるという効果は、あの特異な舞台装置で一層生かされていた、そういう大野さんのカルメンを、わたしは心から楽しみ、コロナ禍の中で与えられた癒しの音楽への感謝があふれたのである。

 

11日の夜九時、NHKEテレクラシック音楽館四人のマエストロという番組での大野和士さんの発言はこの日のオペラ体験を裏付けるものだった。指揮者は何をするひとか、という問いに彼は「音に命を与える…自分は音を出さないが、譜面を具体的にイメージして持っていく」とジェスチャーをしながら、熱く語ってくれたのである。

 

海外から歌手が来られないときが続いても、わたしは大野さんが新国立の芸術監督をされているかぎり、彼の音楽を聴きに行きたい。

9月の『清教徒』をまたあの、L席で予約をすませた。

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