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2021年2月 8日 (月)

『麒麟がくる』終わる

『麒麟がくる』が終わった。毎回楽しみに観ていた。

長谷川博己フアンだったからである。明智光秀という、逆臣のドラマに期待したわけではなかった。

ところが、文武両道を地でいくバランスのとれた教養人の、遅咲きの城持ち大名を、抑制の効いた名演技で見せる光秀像に親しんでいるうちに、戦国の世に自ら進んで謀反人という汚名を背負ったまま命を落としたとされるこの人間の生き方に魅せられてしまっていた。

本能寺の変が近づくにしたがって、放送される特集番組、「英雄たちの選択,」「本能寺の変サミット」に見入り、文芸春秋の特集記事にも目を通した。本人の直筆の手紙から読み解く性格、真相への解析など、興味のつきない追跡ができた。

「有能であることが不幸だという事実を体現した一生」というだれかの名言が心に残っている。

脇を固める役者人の名演技も素晴らしかった。玉三郎天皇の、輝くような威厳とセリフ回しの心地よさ、たてまつらずにはいられない品格があふれでていた。

そしてこのドラマのもうひとりの立役者、信長像に拍手である。あの朝もやの中に船に乗って初めて登場する、謎めいた表情が忘れられない。回を重ねるごとに、狂気を秘めた権力への執着が際立った演技となって炸裂していたと思う。

光秀の愛娘たまの縁談をとりもったのは、もとはと言えば、信長だったという因縁も、強く印象づけられていた。

このドラマの画像を一段と美しくしていたのは、黒沢明監督の令嬢、黒沢和子さんの衣裳である。武将の晴れ姿を際立たせる陣羽織の色彩感、デザイン、生地の色合わせの絶妙さにしびれた。

このドラマを一段と格調高くしたのは、衣裳の力が大きかったと、声を大にしたい。

 

光秀の最期をあえて、克明には見せず、一説もあるというあの忘れがたい美をかもしだす馬上の姿で終えてくれたのは、ファンとしてはうれしく、また、切ない最終回であった。

 

 

 

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コメント

とうとう終わってしまいましたね。私も長谷川博己のファンなので1回も見逃さず観ていました。馬上姿の最後が美しかったです。理性的で知的な武将を彼が十分に体現してくれていました。染谷将太の信長は、キャスティングを聞いた時には、イメージが違うのでは?と思いましたが、だんだん狂気を帯びてくる演技がすごかったです。玉三郎さんは、勿論最高の配役でした。楽しみが終わってしまって気落ちしています。

aiaiさま
男優の好みが同じでうれしいです。
今、次の大河ドラマの予告を、「50ヴォイス」形式で観終わったばかりです。
妹役が藤野涼子、妻役橋本愛、ファンなのでうれしくなりました。
ほかにもスゴイひと一杯でていて、なかなか力作のようです。
より現代が近い話なので、臨場感は増すでしょうね。
安心しました。

 「麒麟がくる」は、久しぶりに熱心に視聴した大河ドラマでした。長谷川さんは、「八重の桜」のときから、指先まで繊細な演技をされる俳優さんだと思っていました。次々と豪華な配役で楽しませてくださって、終わってしまって寂しいです。向井理さんの将軍義輝も、近衛家出身の正室の子として幼くして権力の座に就きながら、自らの力の限界を知った悲哀が漂っていて好きでした。
 渋沢栄一は民俗学者の宮本常一のスポンサーというぐらいの知識しかなかったのですが、初回に高島秋帆が出て来て、今後の展開が楽しみになってきました。

kikukoさま
コメントをくださるくらい、お元気になられたようで、安心しました。
長谷川光秀、お見事と言いたい演技でした。光秀像に光が当たりましたね。
信長像も一変した感じでしたが、染谷さんには拍手を贈りたいです。
歴史の面白さがわかりはじめました。
kikukoさんはご専門、うらやましいです。
「青天を衝け」広範囲に目が届いていて、見応えありますね。
楽しみです。

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