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2020年8月26日 (水)

夫の米寿

夫はこの八月で88歳米寿を迎えた。

インドのボンベイ(現在のムンバイ)で生まれ、まるでインド人のように、夏の暑さには強いひと、夏に弱いわたしの代わりに買い物に行ってくれたり、料理をしてくれたり、それは頼もしかった。それが、この年の初めごろから、目に見えて身体が弱ってきた。

背も曲がり、外出を億劫がり、握力も弱り、聴力が著しく衰えてきた。

大好きだった夏だったのに、暑いなあ、と弱音を吐く。

いわゆるフレイルという状態が進行しているのだ。それでも目つきはしっかりしているし、親戚や知り合いに出す手紙などは、きれいな字で文章もおかしなところはない。

でも、このままではいけない、とわたしは思った。話し相手がわたししかいない、という状況になっているのはよくない、と思った。

我が家には息子が同居しているが、彼は力仕事や買い物など、補助の役割はなんでもしてくれるが、夫やわたしとは、しんみりとした話などをしたがらない。

わたしがほとんど毎日通っているリハビリの場所に、とてもしっかりした理学療法士のひとがいる。わたしが頼もしく思う気持ちを夫にも味わってもらいたい、そのひとに、診療してもらうことにした。幸い、夫も彼を気に入り、週に一度治療を受けるようになって、一か月が経過。介護保険での診療期間が終わり、今は彼のアドヴァイスで、ケアマネージャーを通して、訪問リハビリをしてもらうようになり、地域の理学療法士の人が、週に一回およそ一時間通ってきてくれている。

 

さて米寿の祝いを本来なら家族だけでも集まってできればいいのだが、わたしは毎日の食事の準備と家事で疲れきっていて、パーティをする気力も体力も失せているのを感じていた。

幸い娘が電話してきて、いっしょに食べることは避けたいけれど、手作りのオーブン料理を届けると約束してくれた。息子にケーキを頼んでくれるとも言った。

当日見事に焼けたシェパーズパイが届けられ、ダロワイヨの三人分くらいの、88の文字ローソク付きの小さなケーキもそろった。娘がスマホからリモートの電話をセットしてくれて、夫は山形の孫娘からの祝いの言葉をもらった。夜には孫息子からの電話があった。Img_2631

何よりも思いがけない嬉しい贈り物が、夫の甥からの心入れで届いた。出身大学の生協が発送、大学のイニシアル入りの野球帽、金色のペンのマークもついているカッコイイデザインである。夫の喜びようは格別であった。

これをかぶって外出したいという意欲も起きようというもの、コロナ禍のなか、それぞれのひとの夫への想いがあふれる記念すべき祝いの日であった。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

ちょうどおめでたいときに訪問してラッキーでした。
88歳、数字の並び方も美しい米寿、健康で迎えられて
本当におめでとうございます。
ご家族や、お孫さん、それに甥御さんの温かい心に包まれて
とてもいい米寿のお祝いになりましたね。

ご主人様に対する心遣いに感動しており、何かにつけて参考に
させてもらっています。
年を経るごとに、お互いに自己主張が出て、違いがはっきりして
来ました。反応が鈍くなり声が大きくなるたびに自己嫌悪・・・。
コロナ禍のイライラを言い訳にしてはいけませんね。

ちゃぐままさま
いつもご訪問くださり、あたたかいお励ましのお言葉ありがとうございます。
コロナ禍はいつ収束するかわかりません。八十代の体力の弱りとの闘いは
厳しさを増すばかりで、せめて日々の食べ物を、手作りでしかできない味を保って
いきたいと、がんばろうとはするのですが、以前は失敗なしで自信をもっていた味そのものが、危うくなり、自分の味覚の弱りにもショックを受けたりします。
あなたのお手作りの創意には本当に頭が下がります。
これからもお元気で、とお祈りいたします。
あ、それから、コメント入れられないので、ここで申し上げます。私もサツマイモを水栽培で育てていて、キッチンの観葉植物のようになりました。日々いとしさが増しますね。

久しぶりの訪問がご主人様の米寿のお祝いと知り
嬉しくおもいます。
ご家族の優しさに包まれ、ご主人様きっと彼からは
外の出てみようっと感じてくださいますね。

ご主人様のお誕生日おめでとうございます。
私の父と同じ昭和7年生まれ、体に衰えは出てきても自分の意志をしっかり持ち、知的な会話が出来ること、素晴らしいことです。

父は去年母を亡くしてからそれまで介護に頑張っていた体が悲鳴を上げました。楽しみにしていた大学の同期会もコロナ禍で中止になり、ほぼ同居の娘(私の姉)とだけの会話であまり話も弾まずふさぎ込むようになりました。

そんな中、先月から待望のデーケアに行くことができ、リハビリを週1回始めました。88歳にしては若く見える父ですが、かなり年上の部類らしい。それでも自分より若い人たちが歩行も困難になったりしている姿を見て、「よし、もう少し頑張ろう!」と思えたようです。週1回でも他の人達と会話できることも喜んでいます。週1回でも予定があると少し張りも出るようで有難いです。

ばぁば様のブログ読んでご主人様の健康不安が書かれていると何か他人事ではなく感じていました。それでも「美味しかった」とか「良い買い物をした」と喜んだりしている姿を知るとこちらまでうれしくなりました。どうか一日も長く元気でご自分らしい日々を送れることを心からお祈りします。

おばさんさま
お久しぶりです。あたたかいお言葉ありがとうございます。
わたくしも、ときどき『じゃがもの独り言』のぞいております。
独り言をいい形にまとめられましたね。
コメント沢山でお返事も大変だろうと、お察ししました。

きょうこさま
いつもありがとうございます。ブログも始めて十年になりますが、ずっと読んでいてくださってうれしいです。
お父さまお元気なのですね。デイケアにいらっしゃるとは、素晴らしいです。
夫は集団生活が苦手です。
訪問リハビリも、きのうは疲れると言ってため息をついていました。
私自身も自分の老いを切実に感じるこのごろです。夫の好物、ハチの巣ケーキを焼きましたら、分量も作り方も間違っていないのに、出来上がりは失敗作で、落ち込みました。

米寿 おめでとうございます。  小生も85歳を過ぎてから、めっきりと体力が落ちてきました。

ワイフの骨折も順調に 回復していますが、恵と 週2回 45分程度 SKYPEでコーチして貰っています。

それでもイへの中では歩いていますので、まあまあ と言う事ですか。御主人に寄ろしくお伝えください。

ご主人様の88歳のお誕生日おめでとうございます。ばあば様のご主人に対する心配りがひしひしと伝わってきました。肉体の衰えは、確実に一年ごとに厳しくなってきます。でも精神の活発さが健在ならば、人生まだまだ楽しめると存じます。娘さまの手作りパイとダロワイヨの可愛らしいケーキ、お孫さんからのメッセージ、全てが素晴らしいです。年を取ると何よりの刺激は、会話だそうです。訪問リハビリは、良いアイデアですね。心身ともに元気になりそうです。

massyさま
ありがとうございます。
SKYPEでお嬢様からの週二度のコーチを受けていらっしゃるとは、正に理想的介護ですね。
massy-academyいつも楽しみに拝見しています。
これからもお元気で。

aiaiさま
嬉しいコメントに励まされました。
本当に一年ごとに、確実に厳しい状況になっております。
次の課題は補聴器問題、義母が本当に苦労していたので、現在は性能がもっと良くなっているのかもしれませんが、このところ、一度で聞こえたためしがないので、早急になんとかしなければ、と考えています。

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