食の悟り 2.
近所に新装開店したスーパーで、豚ひき肉を2パック買って、一パックは早速ドライカレーに使ったのだが、残ったほうをとりあえず冷凍しようと思ってよく見たら、「解凍肉」という表示が読めて、さあ、困った。賞味期限はまさにその日なので、なんとかしなければならない。夜の十時過ぎだったけれど、ネギみじんと、おろし生姜、玉子一個、塩コショーを混ぜで、肉だんごをつくり、カタクリまぶして揚げだんごを作った。
一晩おき、翌日、野菜やゆでタケノコなどと一緒に酢豚風にするつもりだったのだ。
ところが実際、仕上げに甘酢あんをかけて、食べてみると肉団子があまりおいしくない。
一晩おいたものはやはり味が落ちるのだろうか。それともあのスーパーの解凍肉そのものがおいしさを失くしているのでは、と思ったりもした。
新スーパーは評判がよくない。コロナ第二波を予想して冷凍食品とカップラーメンのスペースを二倍ぐらいふやし、肝心の野菜果物の品数や、品質もあまりよくないし、肉、魚なども、改良があまり見られず、レジの位置も以前と変わってしまって、一列に並ばされるので、急ぐときには特にわずらわしく、入るのをためらってしまう店になってしまった。
このことも、日々の買い物のストレスを増している。
ステイホームの料理は凝ったものはつくらない。作り慣れたものを確実においしく食べたい。
悟ったことは昔から伝わってきている、保存食、簡単食の数々、切干大根の煮物や、きんぴら、ヒジキの煮物や、ニラ玉、ナスのしぎやきや、醤油炒めや、冷製ナスの箸休めなど、主菜をおぎなう一品がどれほど箸をすすめる役をしてくれるかである。そして豆腐を冬は湯豆腐、夏は冷や奴で、主菜が焼き魚だけでも、食卓を豊かに見せることができる。
きょう試みて、しめた、と思ったのはキューピー3分クッキングという表題の一袋、チャウダーの素、好みの野菜をやわらかくなるまで煮て、牛乳1カップに、このチャウダーの素を加えれば、もう完成。美味しかった。
わたしはそれに、スパゲッティナポリタンを添えてみたらこれがぴったり。ナポリタンといってもオリーブオイルで玉ねぎだけいためて、ゆでたスパゲッティを加え、ちょっと赤ワインふりかけ、ケチャップやピューレーなどで赤く味付け、仕上げに庭のパセリとバジルのみじん切りをふりかけただけなのだが…。
きょうの成功で少し元気回復、主婦はいくつになってもいいときと悪い時を繰り返しながら、一日を終えるものなのかもしれない。(了)
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