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2020年2月に作成された記事

2020年2月26日 (水)

22日の珠玉のピアノトリオ・コンサート

22日の土曜日、久しぶりに銀座に出かけた。この時期、遠出は避けたかったが、ヤマハホールでの『珠玉のピアノトリオ・コンサート』のチケットを買ってあったからである。

午後二時からのコンサートのまえに、買い物をすます。

まず、教文館に直行、教会で必要とする祈りに関する本と、内村鑑三の『出エジプト記』を購入。時間がたっぷりあったので、あれこれ見比べながら、一番ふさわしい本が買えて満足した。

昼食はあまり空腹ではなかったので、木村屋で好きなパンを選び、二階の喫茶部で、ミニサラダとコーヒーを注文、銀座通りを見下ろす窓際の席をとる。思わず、隣の席にいる女性に、空いてますね、と声をかけると、昔の銀座に戻ったみたい、という応答があった。

 

そのあと、銀座シックスで、夕食にする峠の釜めしと、夫へのみやげに彼の好物のアップルパイを買って、ヤマハホールへ。

通り過ぎたブランド店は全く客なし、ヤマハホールでは、まずCDの売り場で、買うべき曲のメモを取り出し、チャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」とグラナドスの「詩的なワルツ集」を探してもらう。

 

ホールはマスクをしたひとがほとんどだったが、さすが超人気のコンサート、ほぼ満席だった。徳永二男、堤剛、練木繁夫、日本を代表する達人の三人、とりわけ練木さんはデビュー当時から、その音の美しさに惹かれて、この数十年間、ずっと注目してきたひと。Photo_20200226104801

期待通り、ハイドンの「ジプシートリオ」の三重奏曲、ピアノ出だしの軽やかな音がとりわけ美しく響く。あとでUtubeのほかの演奏と聞きくらべたら、ほかはこれほどピアノが目立たない。ピアノ三重奏曲とあって、ほかのお二人の配慮があったのではないかと思うほどの効果であった。あとベートーベンの「幽霊」と最後はブラームスの第一番、三重奏曲といっても、それぞれの楽器がメロディーを奏でるところがある。どれかの楽器だけが目立つというのではなく、その楽器をひきたてるほかの二者がごく自然に伴奏の役をしながら、しかもそのテクニックがこの人でなかれば出せないという音色を奏でる、統一感が際立つ、まさに稀なる名演であった。あまりの美しさに、現世の混迷と不安を忘れさせてくれる癒しをいただいた、という満足感に包まれた。

2020年2月20日 (木)

今年のミモザ

Img_2579 昨年のミモザのブログ記事は3月2日だったから、およそ二週間近くも早くミモザが満開になったことになる。

今年は蕾の付き具合がとても早かった。でも植物への目くばりがおろそかになるほど、全日コロナに振り回されていて、事実、このミモザの輝くような黄色がまぶしすぎる。

それでも新鮮なうちに、スワッグをつくっておきたいと、カスミソウを加えて完成させたのが下の写真。でもこれを作ったひとは、二十数年お掃除を手伝ってもらっている、Sさん、彼女は花のアレンジに突出した才能を持っている。

わたしはまだ肩からくる痛みが癒えていない。ちょっとした動きで、腕の中ほどに痛みが起きる。

コロナウイルス騒動のせいだろうか、これほど美しく咲き誇っているミモザを見上げるひとは、昨年よりずっと少ない。

Img_2581

2020年2月18日 (火)

欠落していく記憶

 

 新しく知り合うひとの名前がさっぱり覚えられない。新しい教会には名簿というものがないので、もう入会して六か月近くにもなるのに、記憶は怪しいままである。森田さんのことを、松田さんと言ってしまったり、栗原さんのことを、松原さんと言ってしまったり…樹木に関する名だったということだけは覚えているらしいのだが、それがみんな松になってしまうところがアホである。

新しく出てきた品物の横文字の名称もこんがらがっている。

スカーフの輪になったものがスヌード、リースのかわりに、花束状にしてかざるスワッグが、どちらも「ス」がつくので、まぎらわしい。スヌードをやっとおぼえてすぐ出るようになったのに、今度はスワッグがすぐ出てこなくて、ス、ス、ス…とどもりながら、あとが続かず、へどもどしている。どちらも同時期におぼえたので、区別が怪しくなるのだろう。

俳優の名は顔だけ浮かんでいるのに、出てこない。でもそのひとの出演している作品の名を言えたり、前に出演したときの役名などは言えたりするので、まだましなのかもしれないが、会話する相手がなくなったら、記憶はますます薄らぐのだろう。

 

何が何だか分からなくなっちゃったの、と電話をかけてきた母の、あのときの年齢はいくつだったのだろう?兄とかけつけて、請求書や、重要書類を整理したあのころが迫っているような気がする。

 

わからなくなったことをわかっているのなら、まだマシかもしれない。わからなくなったことをわからなくなったまま、暮らしていたら、本当に大ごとなのである。

一番尊敬していた賢い先輩が、そういう状況になっていると知ったショックから、わたしはいまだにさめずに茫然としている。

 

2020年2月16日 (日)

映画『一粒の麦』とドラマ『重版出来』

教会の受付で映画のチラシを見つけた。 

『一粒の麦』荻野吟子の生涯、日本初の女性、社会運動家として、医師として、女性として、不屈の精神と大いなる愛に導かれたその生涯という紹介文があって、監督は山田火砂子という女性の作品だと知った。若村麻由美、山本耕史主演、助演陣も佐野史郎、賀来千香子など、豪華である。Photo_20200216164401 

ヴァレンタインの日、蒲田のアプリコの午前の部を観にいく。現代ぷろだくしょんという会社の制作で、いわゆる映画館ではなく、日本各地36か所で上映会を催す仕組み。

女性監督、88歳だそうで、杖をつきながら、挨拶にあらわれた。

よどみない紹介と宣伝だったが、若村麻由美が18歳から60歳までを演じ通すので、メイクがひまどり毎回二時間半も、待たされて大変だったという裏話が気になって、映画が始まってからも集中力を削ぐ。

エピソードがありすぎて、場面転換が唐突、急に姿を消す登場人物の説明も別の人物のセリフの中に収めてしまうので、ストーリーの盛り上がりが弱まっていたし、キリスト教徒となった夫妻の夫婦愛や信仰心がうまく描かれていなかった。

そのせいか、盛り上がるべき感動が味わえず、残念。

 

帰宅してから録画してあった『重版出来』をなにげなく見始めたら、やめられなくなるほど面白く、第十話完結まで突っ走って目がドライアイでショボショボしてくる。Photo_20200216164501

主演の黒木華の表情の豊かさに感情移入せざるをえないほどの魅力もさることながら、せりふがコミックワールドを見事に描き出すテンポの良さと、思ったようにうまく運ばない人生の切なさを、それこそコミックの絵の中に表現されているような鮮やかさで、観客の心をわしづかみにしてしまうテクニックにあふれているのだ。

ムロツヨシという俳優はあまり好みではなかったが、万年アシスタントのやるせなさをこれ以上ないくらいうまく演じていて、このドラマだけでファンになってしまった。それほどに俳優陣もこのドラマにはまっている快感が、見ている者をますます楽しくさせてくれる。

 

なんだろう?この二つの作品の差は?

 

いつかダスティン・ホフマンがインタビューで語っていたっけ。

「Detail is the art!!」いかに具体的に語るかで、名作になるかならぬかが決まる、ということなのだろうか?

2020年2月 8日 (土)

広がる憂慮

イタリア旅行情報サイトJITRAからメールが届いた。

イタリアは中国武漢からの帰国者は56名だったが、ウイルス検査では全員陰性だったそうだ。チヴィタヴェッキア港に入港した6000名のクルーズ船では2名が感染を疑われたが、検体検査の結果は陰性とわかって下船が可能となったそうである。現在ではイタリアのあらゆる空港で体温チェックが行われているという。

コロナウイルスによる感染被害はほとんどないとされていても、中国ビジネスの結びつきが深かったイタリア、現在中国からのショッピング顧客はほとんどなく、まもなく開催を待つ見本市の最大の顧客中国人が不在となっては、業界は厳しさをかみしめている、とのこと。

二月にフィレンツェを訪れたときに目にした満開のミモザの黄色を思い、旅行者にとっては、世界の危機的状況を恐れつつも、混雑の少ない時間を過ごせるのではないか、と想像する。

 

パニック小説を数多く読んでいる夫から、すごいぞ、読んでみろよ、と高島哲夫著『首都感染』を渡される。

WHOのメディカル・オフィサーだった感染症の専門医が主人公、中国で開かれているサッカーのワールドカップに世界32か国のファン40万人が詰めかけている中、強力な感染症が発生、アメリカ1000万人、EU2000万人の死者を出し、日本は218名ではあったが、都心部に機動隊と自衛隊を配置して東京の封鎖が始まるという、中ほどまで読み進んだ。

荒唐無稽なパニックとは、とても思えない、現在の日本、『船内疲弊』という朝日新聞の三面大見出しを目にしながら、さぞや、と胸が痛む。

乗り物乗り継ぎの外出を控え、栄養の行き届いた食事を心がけるのが、せめてもの主婦の仕事と、いつもより空白の多くなった二月のカレンダーを眺める。

 

2020年2月 5日 (水)

誕生日、82歳のその日

誕生日の二月四日を、夫はよく覚えていてくれて、カードと、わたしの大好物、田園調布『ローザ』のロールケーキをプレゼントしてくれた。

 

近くに住むR子さんから、お庭の河津桜が満開だから、見に来ない?というお誘い。では、最近オープンした二丁目バス停前のオーガニック野菜サラダ専門カフェ『アネトゥ』でランチをたべてから、お庭を観に行きましょう、ということになる。

 

『アネトゥ』の野菜だけのスープ、豆乳入りのポタージュ、あとビーツのサラダ、ムール貝の冷製、などをシェアしながら、塩気もほとんどない野菜の味だけの澄んだスープに配られた塩とオリーブをかけて食しつつ、野菜って、お肉より、豊かな味わいがあると、感じる。Img_2572 

 

R子さんはその心の優しさがお庭全体の木や草花に伝わっていると、はっきりわかるほど、花々も木々の緑も膨らみかけた蕾や芽吹きの鮮やかさはまばゆい。

老木になった白梅の枝が重くて、木が折れそうになっていたのを、植木屋さんが切ったその枝を、前面の池の中につけておいたら、花が咲いてきたのよ、と彼女うれしそう。

わたしもうれしくなる。

河津桜は優しいピンクで、美しかった。Img_2573 Img_2575

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