不安の当日
今日はわたしにとって危うい日だった。三年ぶりの胃カメラ受診の日だったのである。
食欲もあるし、胃が痛むというのでもなかったが、十二指腸潰瘍になったことがあって、そのとき経験したひりッとするような痛みがときどきある。それを抑えるのにこの7,8年、ザンタックという薬を愛用していたのだが、これがなにか悪い成分がある、とかで、発売中止となって、仕方なく、ファモチジンという薬に変えた。
でもそのザンタックの悪影響がもしや起きているのではないか、と心配なのだ。
それにこの年齢、最初の麻酔薬で一時間以上も寝てしまうとき、もう意識がそのまま覚めず、といこともあるかもしれない。
数日まえから憂鬱で、この先のいろいろな誘いの返事を即答しないで迷っていた。
今朝も、食事抜きで出かけるので、時間はたっぷりあったが、五時に目覚めてしまい、その時間、「もしものときのために」というノートをひっぱりだして、目を通し、追加を付け加え、そういうときが起きたときに備えた。
田園調布中央病院は胃カメラの技術には定評がある。看護師さんもとても慣れた扱いぶりで、親切、「お歳には見えない若さでおきれい…」などとお世辞を言って励ましてくれる。
喉の麻酔の薬を吹き付けられて、飲み込む力が失せ、ひどくせき込む。鼻から息をして、吐いてください、と言われてそうしようとするのだが、うまくいかなかったりする。でもそうしているうちに腕に麻酔の注射を打たれて、いつのまにか、寝てしまい、起きたときは終わっていた。
なんだかモウロウとして、もうどうでもいい、何を言われてもいい、と腹がすわっていた。
若い先生はできたばかりの写真を示し、ところどころ小さいポリープがあるけれど、問題じゃない、潰瘍の痛みというのも気のせいじゃないかな、と言われたので、急にうれしさがこみあげてきた。
救いを得た、と思った。
終わってからすぐ夫に電話、夫が大声でよかったなあ~と言った。
興奮のあまり、ファイルを受け付けに出すのを忘れて、さっぱり呼ばれず、三十分近くも遅れてしまった。
プレッセでおかずを買い、きょうは料理をさぼることにする。そして久しぶりに娘のところのネコたちに会いにいくことにした。
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