アンを讃える「ソーイングビー」決勝戦
見応え十分の決勝戦だった。最初の課題、四時間の男性用シャツ制作で、すでに勝敗の行方は決まっていたように思う。それほどにアンの仕事は美しく、見事に仕上がっていた。
無地の淡い色の生地だから余計、ミシンの針目そろいの美しさが際立つ。
これほどの仕事に、終始沈着、仕事の段取りもあわてず、騒がず、整然と決めて、迷いがない。
二つ目の課題、手仕事。無地のバッグを飾る技。これもデザインがいい。交じり糸でまず大胆な曲線を描いて、そこに無地の一色の針目をアクセントに使うようにとり、最後に光る石を飾る。心憎いほど、格調高い、仕上がり。
最後のドレス、フォーマルに必須のブラックとロイヤルブルー、黒のレース編みをかぶせて、袖の部分だけ、黒のレース地にするというデザインの巧みさ。
レースが動かないようにブルーの生地に慎重にとめつける作業を怠らない。彼女の言葉「どんな仕事にも退屈な部分があるけれど、それを省くと困ったことになるのよ」
料理でもそうだ、下ごしらえの下味、例えば人参、油揚げ、キュウリ、大根の酢の物のとき、人参と揚げの千切りを薄味でしっかり煮ておかないと、最後の酢、塩、すりごまの味が生きてこない。下ごしらえを入念に、はすべての家事の基本でもある。
もう一つ、ミシン仕事が主であっても、あえてミシンをかけず、手縫いにしたほうが仕上がりが美しいということもある。アンはファスナーを手縫いにしていた。お見事!!
お嬢さんがモデルとなって、このドレスは一層の着実な美をかもしだした。
アンの着ていたーターが素晴らしかった。彼女のお手製ではなかろうか。いや、なにもかもお見事!!
あなたと同い年の81歳であることを誇りに思います、ありがとう。
ソーイングビーはまだ終わらない、次のシリーズが続くという予告編がうれしかった。
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