『サギデカ』最終回
見応え十分の最終回だった。
実は我が家でもおよそ7.8年まえ、怪しい電話をもらったことがある。息子が海外出張中だというのに、「お宅の息子さんが品川駅で、痴漢の疑いで捕まっています」という内容だった。
そういう電話は後を絶たず、現在も広がりつつあるときこのドラマ、臨場感に圧倒される。
主役の女性刑事の表情が美しい。脚本の良さにほれこんで人物になりきっている高揚感が伝わってきて、見るほうも惹き込まれる。
とりわけ最後までもしや、という疑いを引き延ばされた、ベンチャー起業家との尋問のシーンは魅せた。
起業家を演じる青木 崇高というひと、「ちりとてちん」のときからのフアンである。
現、芸能界、美男(イケメンという言い方がきらい)が多すぎる。
このひとは美男ではないけれど、ごく自然体の魅力が好ましい。
それがいい演技とともに、この尋問シーンのときは、とてもよく表れていた。
悪役がまたすごい。「受け子」や「かけ子」がつかまっても、サギグループの、肝心のからくりをあやつるトップがつかまらなければ、この犯罪は終わらない。
それが、今回のドラマには臆のすく見事さで、表明されていた。だからこそすごみ満載の二人、長塚圭史、と田中泯というもったいないような配役で合点がいくのである。
ドラマの魅力は脚本できまる。このドラマの作者安達奈緒子さんに注目、これからも見続けたい。
女性の優秀な脚本家が多いのは喜ばしい。かつての『カーネーション』の渡辺あやさんはどうしているのだろう?
ネット検索したら、十二月に松田龍平扮する芥川龍之介のドラマ執筆とわかり、年末の楽しみがふえた。
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