カロローザ第56回定期演奏会のこと
先日、泳ぎに行こうと駅まで歩いていると,すれ違った人から思いがけず名前を呼ばれた。ウイメンズ・コンファレンスで知り合ったピアニストのまどかさん、美しい音色に魅せられフアンになり、交流がはじまっていたのだけれど、近々のコンサートを控えていて、歌手の方との伴奏リハーサルでその方の自宅に向かうところだとのこと。
そこが我が家と徒歩三分の距離、奥まった通路のしゃれた鉄製のくぐり戸の向こうにどんなお宅があるのかと気になっていた場所、一度練習、聴きにきませんか?とさそわれ、ぜひぜひと、感激しつつうなずく。
それがきのう実現した。わたしはレモンパイとフルーツケーキを焼き、持参する。
クリスマスローズが咲き乱れ、しだれ桃が満開のお庭、白い二階建ての瀟洒なお宅の客間で至福の時間を過ごすことができた。
歌唱担当の山代さんはナチュラルな魅力漂う女性だが、フォーレの宗教曲の最初の発声で、衝撃を受ける。なんとわたしが女性の声で一番好ましいと感じている、メゾソプラノ、声量ゆたかな、深く心に染み入る歌声、それを引き立てるまどかさんの抒情あふれるピアノの音色、フォーレはこんなにも美しく、神々しい歌をつくっていたのか、と、ピアノ曲しか知らなかった無知を恥じながら、お二人がかなでるこれ以上ないほどの楽興に酔いしれた。
桐朋学園出身のピアニストを中心に、子育てを終えて演奏を再開した人を含めた女性たちのグループ、カロローザの定期演奏会は4月6日、河口湖円形ホールと、4月21日、東京オペラシティリサイタルホールで開かれる。音楽だけに生きてきたのではなく、人生経験を経たあとだからこそ、かもしだせるより豊かな音色、それを必ずやこの場所で聴けることを確信する。
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