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2019年2月 9日 (土)

『椿姫』をぜひ、(2019メトロポリタンライブビューイング)

必見の『椿姫』である。これまで数回、このオペラを観たが、今回が最高、本場ヴェネチアまで出かけて、フェニーチェで観たイタリアの上演作より出演者も舞台美術も、演出も音楽もはるかにすぐれている。Photo


ヴィオレッタが美しく、ダムラウの演技が素晴らしい。第一幕はほとんど切れ間がないほど歌唱力を要するアリアが続くが、観る者を疲れさせない余裕の表現力である。
幕間にリハーサル風景が紹介されるが、指揮者ネガ=セガンが導き出す、歌唱力の見事さに圧倒された。すなわちピアニッシモに哀しみと秘めた病気のつらさを表せという解釈が生きているのである。

フローレスのアルフレードも至難のベルカントをこなしてきた彼にはいともたやすい、楽しめる役柄なのであろう。わたしにはロッシーニ歌劇より、ヴェルディを歌う彼のほうが好ましく感じた。アリアの質においてはこのオペラ、ヴィオレッタの数曲が突出しているが、今回フローレスはアルフレードのそれを、忘れがたい旋律に高めるほどの功績を遺したと思う。Tubakihime_2


そして、耳新しい名前なので、それほど期待していなかったクイン・ケルシーのジェルモン、二幕目登場最初の発声を聴いた途端、しびれた。のびやかで迫力あるバリトン、これぞ、「プロヴァンスの海と陸」のアリアを歌うにふさわしい声。このオペラで一番聴きたいのは、わたしにはヴィオレッタの数曲より、ジェルモンのこの一曲なのである。
そして彼はそれを切々と、心ふるわせる声音で歌いきった。
カーテンコールのときも彼があらわれたときはごお~っという歓声が一段と強まったのは、このアリアへの期待がそれほどに強い観客が大勢いるのをあらわしているのではと思われた。

ハワイ出身とのことだが、メトオペラは逸材を発掘するのが巧みだと思わないではいられなかった。

めずらしく、この初日のライブ、二子のシネコン、ほぼ満席で、三十分まえに行ったのに前から四番目の真ん中、これは疲れるぞ、と覚悟があったのだが、かえって画面にも音楽にもずっしり浸れ切れて、満足感が高まった。

一つだけ、難を言えば、二幕目の舞台が室内だけで、パリ郊外のヴィオレッタの屋敷という雰囲気が薄かったこと、数十年前シカゴのリリックオペラで観た庭園の緑が見える、恋人二人の憩いの場所の感が深まる舞台美術がなつかしく思われてならなかった。(二子シネコン18日まで、東劇21日まで)

すみません、東劇21日まででした!

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コメント

メトの「椿姫」、行こうかどうしようか迷っていましたが、行くことにしました。東劇では、21日まで上演しているので、まだ間に合いそうです。椿姫は、何となく知り尽くしているような気になってしまいますが、やはり毎回違うのですね。ダムラウは、大好きな歌手ですし、ジェルモン役のケルシーという人のアリア聴いてみたいです。教えてくださってありがとうございます。楽しみです。

aiaiさま
東劇の終了日を間違えていました。ありがとうございました、気づかせてくださって。
わたしも実は『椿姫』はもう結構という感じだったのですが、フローレスのアルフレードを観てみたいという気があったのと、ライブのインタビューが気に入っているので、行ってみて大正解。こちらの訊きたいことを全部訊いてくれて、おまけにリハーサル風景が見ごたえある素晴らしさ。
舞台美術なしの前衛的『椿姫』や、偽札を落ち葉のように散り敷いた、ヘンテコな舞台美術のフェニーチエ『椿姫』などいろいろ観ましたが、やはり正統派のクラシックな、衣装と演出、しかもメインの三人の歌唱がこの上なく麗しい『椿姫』、感動でした。

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