現役主婦の実情
共通の知人の記事が新聞に載ったので、そのことを知らせに、しばらくぶりの電話を同級生にしたら、彼女から別の友人の消息を知ることになった。
良妻賢母の鑑のようなそのひとは、料理上手、彼女が作った秘伝の沢庵の味を未だに覚えている。「元気?って言ったら、具合が悪いのよ、と答えた声に尋常ならざる状態が感じられて…」というその描写に、わたしは胸がふさがった。
「今年の夏のあのひどさにも、めげず、草取りしてたのが祟ったと思うの…」という話にそのひとの広い芝生の庭が目にうかんだ。
経済的にも何の不自由もないひとだから、プロを探すこともできただろうけれど、私たちの世代をそれが待てずにしてしまうことが多い。でも実情はそれがひどく身体にこたえるのを実感できる。
主婦の仕事はなんと限りなくあることだろう。いまのわたしの年齢のとき、実母は入退院を繰り返していたし、義母はもう未亡人で夕飯はいつもわたしがつくっていた。二人共、料理や家事を主婦としてすることは卒業していたのだ。
でも、わたしはまだ現役である。そしてそれが疲れるなあ、と思うことも多い。それでも自分しかできない味についつい固執してしまい、つくったあとの片づけや残り物の整理が億劫になるというような現実と共存している。
料理すれば、キッチンは汚れる。食べた後の洗い物は夫や息子がするが、最後のゴミの処理や、料理で汚れたあとのレンジ周囲やシンク回りの洗浄はやはり、汚れに目ざとい私の仕事で、こする仕事が多くてそれが右手の靭帯をいためたあとの、治りを遅くしていたけれど、いまようやく、痛みがおさまった状態である。
出かけると、外出先で、『キャンドゥ』を探す。そして、キッチンクリーナー四十枚入りを買ってくる。
ため息をつきながら、この必需品を毎日消費している。
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