軽井沢の休日
猛暑が一段落した四日前、母校の軽井沢夏季寮生活に参加した。
三年ぐらい途切れていたのだけれど、寮内は畳の部屋も長い渡り廊下も以前のまま、
足の状態が落ち着いているので、セルフサービスの生活は快適だった。
広大な庭の緑も美しく、さわやかで清涼な空気が心地よい。
その夜の夕食メニューは定番の花豆ごはんの和食。
何よりうれしかったのは、思いがけなく、同じ同窓会支部のメンバーから声をかけられ、心和む会話をいっぱい楽しめたこと。
翌日はバス旅行だったが、わたしは参加せず、読書三昧で過ごし、昼食どきに、銀座通りで買い物をした。
必ず立ち寄る、軽井沢会館横の、インド綿の店と、その先のタイ系のブティックで、今年はこれこそ、自分の雰囲気というブラウスが二点買えた。セール値段で、それをまたかなり負けさせるスリルも加わる。高齢となってもしゃれっ気は失せていないし、あきらめるつもりはない。女性の元気の源である。
昼食はジャム店の、沢屋で、ピロシキセットを食べたが、800円、飲み物、ピクルス付き、ヨーグルトのデザートも供され、わたしのお腹にはちょうどよい分量でおいしかった。
なにか食べものの土産をと思ってぶらついたが、表通りの店は、若い人向けのものが多く、漬物でもないかなと、もう半分あきらめの境地で、路地を曲がったところに、漬物専門の『あいき』という店があって、白髪の主人がもう五十年、漬物を仕事にしており、ピクルス修行にフランスまで行ったという話をじっくりしてくれて、自慢の商品をからいのも酸っぱいのも甘いのもすべて試食させてくれて、納得がいき、野沢菜と、キャベツと福神漬けがわりにもなる、きざみ大根の三点セットを購入、満足感いっぱいで店を出た。
酢味噌つき手作りこんにゃくもおいしかったが、これ以上買うと、スーツケースに入らない、その辺の目分量は旅行慣れしているのでわかる。
娘時代は別荘生活にあこがれたこともあるけれど、都内の家一軒のマネージも精いっぱい、盛夏の半ばに二泊三日ぐらい、命の洗濯をするのが、自分相応である。
最終日は友人たちと鹿島の森でランチをする予定だったが、台風襲来でチェックアウトが早まったので、急きょ、キャンセルし、あわただしい帰京となった。
最近のコメント