孫娘の音楽会
台風も接近しているというきのうは、孫娘の音楽会の日であった。
オーディションで選ばれたほかの三人のソリストと、それぞれオケつきで演奏するという、音楽大学のイヴェントで、トリを務めるのだという。
彼女はすでに東北地方唯一のプロ交響楽団に就職しているが、卒業前のこの音楽会は最後の晴れの舞台になるのではないかと、我が家から電車で二度乗り換えのちょっと遠いその場所に出かけた。
ケース付きのトロンボーンという楽器は結構重いので、それを背負い、しかも必要なもの全部が詰まったカサのあるバッグを肩に、朝のラッシュ時に通うのは大変だっただろうな、と察することができた。
孫娘が取っておいてくれた席は中央からちょっと右の一階席だったが、すぐそばの中央に、とても目立つ高級なおしゃれをした美しい女性がかなりの席をおさえていて、皆におめでとうございます、と挨拶されていたので、出演者の母親なのだと察しがついた。
孫娘の直前のソリストはその女性に良く似た、細身の美女で、真っ赤なドレスに、光る石をちりばめた白いベルトをして、楽団員に挨拶するときに後ろ向きになった姿は前側のデザインよりもっと目立つ、大きなフリルの流れた、ドキッとするぐらいの立派な立ち姿だった。しかも演奏も緊張がまったくみられない、たおやかで流れるように美しい、テクニックもすぐれた、サン=サーンスのピアノコンチェルト。
終わるとソリストにそっくりの母親に、招待されたひとたちは、その曲だけ聴きにきたらしく、150点でしたよ、という褒め言葉を述べて去っていった。
このあとはプレッシャーだろうな、とわたしは孫娘を思いやって、神に祈った。どうか無事に務められますように…。(続く)
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