麻布十番あれこれ
麻布十番はいうところは、今から40年まえ、アメリカでの駐在員生活を終えて帰国して以後ずっと、縁の深い場所になっている。
そもそも、日本語を外国人に教える仕事にさそわれて、現在の『国際日本語普及協会』が『西尾グループ』として活動を始めたころ、麻布二の橋の金物屋の二階に事務所があって、そこに通うようになった。その後、事務所は転々として、どんどん大きくなり、教室を持つ場所にまでなっていったが、最初のころは十番内を移動していたので、それぞれの商店が個性を発揮して、輝いている変遷をみつめながら、通っていた記憶が鮮やかなのである。
同じころ、所属して国際婦人クラブも奨学生の選考の場所に国際文化会館をよく利用したので、そこから坂を下ったところに位置する十番を通って渋谷方面のバスに乗る、ということが多くなった。まだ地下鉄南北線が通っていない頃の話である。
現在も十番の有名店『豆源』は当時から流行っていた。商店街中ほどの『永坂更科』の蕎麦店も有名だったが、現在は一の橋のほうの永坂本店のほうが味が繊細でおいしい。
そして当時国際婦人クラブの会員でもあった、エイミー加藤さんがオープンした『ブルーエンドホワイト』はこれまで日本人の発想にはなかったセンス抜群の、藍のブルーと白だけを使った服飾雑貨の店として、精彩をはなちつつ、長続きしている。
七年まえからその店のウインドに飾られていた刺し子作品に魅せられその作者吉浦和子先生のレッスンに通うようになった。ところが五年目に膝を傷めて、体調管理がむずかしく、針仕事が手につかなくなってしまって、挫折状態である。
『ブルーエンドホワイト』店が閉めると言うのを聞いて、もう無くなってしまうのかと残念に思っていたら、隣のピーコックがイオン経営のオーガニックスーパー『ビオ・セボン』とフランスの冷凍食品『ピカール』をオープン、その二階に移転したというので先日、国際婦人クラブの例会の帰りに立ち寄ってみた。
一緒に行った友人は日本語教師時代からのお付き合い、十番は私以上にくわしいひと、ブルーエンドホワイトは建物二階、エスカレート付き、ずっと広く明るくなって見事なリニューアルを果たしていた。
下のスーパーも大きなテーブルがあって、まわりで購入したものを食することができるコーナーが便利、隣の『ピカール』には洗練されたおいしそうな冷凍食材が満載、私はとりあえずグリンピースの冷凍の大袋を買う。グリンピースはフレッシュなものより、輸入ものの冷凍のほうが緑が美しく、手早く料理できて重宝するのである。友人はその晩の夕食用にカナッペを選んだ。
その晩、感想を知らせてくれると言っていた彼女が電話してきて、オーブンで六分、仕上がりも美しく、美味だったと、おしえてくれた。
東京もどんどん、グローバルに変貌する。近々、もう一度、この便利で、胸のときめく場所を再訪したいと思っている。
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