I am still useful......?
思いがけぬ仕事の依頼がきた。
ある学校で、日本語の待遇表現の講義をしてほしい、というのである。
体調やら、足の具合やら、そのときになって何が起きるか怪しいのだけれど、あなただから、できる仕事とおだてられて、重い腰をあげそうになっている。
捨てずにとってあった、三十年まえの手作りテキストを取り出してみたのだが、内容は実にしっかりしているものの、手書きのものが混じっているし、いかにも古めかしいので、以前所属していた日本語学校にもっと改良された出版物が出来上がっているのではないかと問い合わせてみたら、そういうものは存在していなかった。敬語表現教授の依頼もなくなっていて、外国人から敬語をおしえてほしいという依頼が時たまあるくらいだという。
その担当者が、文化庁が出している『敬語の指針』を読むべきだとおしえてくれたので、とりよせてみた。
そこでわかったことは、待遇表現はいまや会社、あるいは団体で、マニュアル化したものをおぼえるだけになったらしく、基礎練習ができていない、という事実である。
だからテレビの出演者や、アナウンサーの間違い敬語、公共の場でのアナウンスや、国会の質疑応答にまでおかしな待遇表現が続出するのだろう。
いまから四十数年まえ、アメリカで暮らしたときに、知り合いになったタフト大統領の姪にあたるというスタッフォード夫人は、あのころ七十代だったと思うが、文才もあって、料理も上手、質の高い暮らしをしていたひとだった。彼女がよく言った言葉”I am still useful” 、わたしもそれが言えるかどうか、まだそのときになってみないとわからない。
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I am still useful......?
素晴らしい言葉をいただきました。なんだか元気になれそうです。書かれた内容とは違うのですが、介護4の夫との毎日に、心が萎えることが続いていましたが、今日からま何とかやって行けそうです。25日は結婚記念日(52年)でした。いいプレゼントをいただきました。それと長年やっていた教材(数学)を思い切ってここで処分したものの、何となく寂しかったのです。
、有難うございました。
投稿: ミヨちゃん | 2017年4月26日 (水) 10時03分
ミヨちゃんさま
数学の先生をしていらっしゃったのですね。わたしはブリッジというゲームで、足し算と引き算だけなのに、オタオタする自分をもてあましていているので、脱帽です。
介護5の義母を世話していたときがあるので、お察しいたします。
ご自分の知らないどこかで、usefulと思っていてくれるだれかがきっといますよ。
投稿: ばぁば | 2017年4月28日 (金) 17時36分
とてもいい記事だったので、自分のことのように嬉しく思います。
今迄の実績が認められての依頼だと思います。
”I am still useful”はばぁば様にぴったりです。
また経過を知らせてくださいね。
投稿: ちゃぐまま | 2017年4月29日 (土) 23時35分
ちゃぐままさま
ありがたいお言葉です。
でも、小さなことに失敗の多い、日々、人前でなにかするのはビクビクものなのです。
投稿: ばぁば | 2017年4月30日 (日) 18時28分