老いながらP.D.ジェイムズ
P.D.ジェイムズの三冊目、『皮膚の下の頭蓋骨』を一月半ばから読み始めているのに、さっぱり読み進まない。改行が極端に少なく、しかも一行一行を読みとばせないほど、風景描写も心理描写も深みのある叙述なので、味わっていると時間がかかるのである。
図書館に頼んで、二週間延期してもらった。
高齢で不治の病に侵されている、劇評家のモノローグに感情移入してしまう。「老年特有のいくつかの欠点をさらけ出しはじめた・・・ちょっとした心遣いを好むようになった・・定まった手順を守るのに大騒ぎをする・・・一番の旧友とすら会うのに気乗りがせず・・着替えや入浴まで重荷と感じるほどの不精・・・そして肉体的機能のことばかりが最大の関心事・・」
膝の痛みが一大事だった昨年はうなずけることが多かった。
オリンピックが2020年、田園調布中央病院が多摩川に完成するのも、雪ヶ谷の東急ストアが建て直るのもやはり2020年、そのころ、今のように元気でいられるかどうか・・
あと三年先は夫の今の歳に近い。生活者としてまだなんでもこなす今の彼は立派だと思う。
きょう二か月ぶりにプールで泳いだ。バタ足の力が弱くなっていて、クロールもバックも浮き方が弱い。でも今のわたしの身体を一番ととのえてくれるのは、やはり水泳だと思う。
泳いだ後のすがすがしさは大切な感覚。
帰宅してジェイムズの続きを読む。ようやく半分、いまかいまかと恐れていた、すさまじい惨劇が起こる。
俄然読み進みやすくなってきた。
読書ができる目の力と根気があることを感謝して、またこの一年を過ごさなければ・・・
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