2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
フォト
無料ブログはココログ

« 植物の恵み | トップページ | 熊本大震災 »

2016年4月11日 (月)

ジョルジョ・モランディ展に想う

このところ記憶力の衰退で、著名な欧米人の名をとみに忘れがちであるが、ジョルジョ・モランディの名だけは、鮮明に覚えている。
いまから12年まえ、三度目のイタリア一人旅、ボローニャに一週間ホームステイしたとき、到着後ほどなく訪れたときの、モランディ美術館の鮮烈な感動がそれほどに大きかったからである。

今回、東京丸の内のステーション・ギャラリーで開催されたジョルジョ・モランディ・終わりなき変奏と題された美術展に、あのときの感動をよみがえらせたくて、膝の危うさをかかえながら、訪れたのだったが、よりすぐりの作品が並んでいた現地の美術館の展示の鮮烈な印象には及ばず、物足りない思いを抱いてしまった。

2004年、当時のモランディ美術館はオレンジ色の市庁舎の建物の三階にあったが、ブラマンテが設計したという、優美な階段から直接上がれるようになっており、着いたところはまた中世の素晴らしい天井画のある大広間で、ガラス戸を入ると、一転して近代絵画の粋とも言えるモランディ芸術が広がるという、構成にまず度肝を抜かれた感じがあった。011

013


014

色調は地味だが、一度見たら忘れられない、静物像の静寂の美、とりわけ、なつかしさを覚えながら、惹かれたのは、花をモチーフにしたデッサン、と水彩の風景画、というのも、画家志望をあきらめ、銀行員になった私の実父が水彩画を趣味にしていて、静物や風景のデッサンや色の好みに、共通するものがあるように思われたからだ。001

002

父が生きているあいだに、このボローニャのモランディ美術館に連れてきたかった、と思ったら、ふいに涙がとまらなくなって、感傷にふけりながらの、鑑賞は、より感動を大きくすることになったのだった。

2012年、モランディ美術館は移転して新しくなったという。圧倒的にマリア像や宗教画を主とする、文化遺産を展示する美術館の多いイタリアという国に、近代絵画の至宝のような存在であるモランディをボローニャ市がいかに重んじているかを、示す事実ではあるが、それでも私は、あの市庁舎の中にあったモランディ美術館の存在美が忘れがたいのである。

« 植物の恵み | トップページ | 熊本大震災 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 植物の恵み | トップページ | 熊本大震災 »