ある日のどっきり
常用している薬三種類が切れてしまったので、朝一番で、ホームドクターのところに行った。すでに待ち時間六人分だったので、雑誌を手にする。この医院、種類が充実していて、読みたいものばかり。家庭画報に、週刊文春、そしてノジュールという最近評判の旅雑誌。
順に目を通す。
文春3月17日号の林真理子さんのエッセイ、笑ってしまった。
慢性気管支炎の林さん、診察日の予約で銀座のクリニックに、ところが日にちを間違えていて、急きょ、エステのほうに向かい、リラックスしてから、腰痛治療の大岡山の鍼の医院へ、タクシーは遠すぎると渋谷経由で地下鉄で向かおうとしたら、澁谷の複雑な地下道を、いらいらしながら二周するぐらい迷わされた、というところでクスッツ!
ようやくたどり着いたら、鍼は鍼でもフェイスリフトのための美容鍼の予約と間違っていて、そこから赤坂へタクシーと言う顛末。
認知症が始まっているのかしら、という一行でしめくくってあった。
銀座線から渋谷経由東横線乗り換えはとりわけむずかしいのだ。
銀座からなら、銀座線で溜池山王のりかえ、南北線で大岡山、というのが一番楽なのに。
なにかを極めたひとは、ほんと大変、雑誌やテレビでひと目にさらされるから、美容の心くばりもこれほどの経費と時間が必要とは、とあらためて、その苦労がしのばれ、それをまたエッセイのネタにする正直さが、彼女の好感度を増すことになるのだろうと思った。
ノジュールは一人旅の知恵満載。とりわけ京都の宿、近場の温泉宿情報が見逃せず、せかせかメモしていたら、ようやく名前を呼ばれた。
いつもの薬が切れました、と言ったあと、あ、そうだ、あと一種類と言ってから、病名が出てこない、あの、あの、ちょっと説明しにくくて、なお詰まる。ドクター、見かねたらしく、これまでのトラブルの病名を列挙するも、当たりはなく、あの、あの、排尿の時の痛みというか・・・
あ、膀胱炎ね。
そうです。先生、わたし、あの、認知症かも・・・
林さんを笑えぬ自分をさらしてしまった。
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林真理子さんのエッセイは面白いですよね
「綺麗な人」と
言われるようになったのは
四十歳を過ぎてからでした
これを読みました
エステやブランドものに随分の投資をしている姿は
可愛らしさも漂って感じました
薬なしの生活は考えられない年になりました
投稿: おばさん | 2016年3月22日 (火) 23時34分
おばさんさま
林さんが『笑っていいとも』に初出演したとき、タモリにいびられていたときから関心を持っていましたので、よく大成なさったと思っています。ただし彼女は文学の質よりも量のひとではないかと・・・・
エッセイも面白いのとそうでないのと、むらがあるようで、たぶんお忙しすぎるのでしょう。
でも先日のエッセイは久しぶりのヒットでした。
薬は全部やめてしまいたくなるときがあります。
投稿: ばぁば | 2016年3月23日 (水) 20時48分