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2016年2月14日 (日)

クヴィエチェンにクビったけ

男性の声はテノールよりバリトンが好みだ。
容姿もよく、演技力も抜群と、三拍子そろったポーランド出身の名バリトン、マリウシュ・クヴィエチェンを、一昨年のメトライブビューイング『オネーギン』で知って以来、魅せられ、去年のアンコール公演で再度観る。Photo


顔だちは美男というのとは違う、どちらかというとドンファン的な危うさをかもしだす容貌でもあるが、演技をともなって変貌する表情がとてつもない魅力を発揮することが多く、それをもっと、もっと見たいという思いにさせるのである。Photo_2


彼のことを教えてくれた友が、日本でのナマの舞台『ドン・ジョヴァンニ』を立て続けに、二度観たという気持ちがいまなら痛いほどわかる。

というわけで、左膝はまだ危なっかしいけれど、今年クヴィエチェンが出ているメトライブの『真珠採り』を見逃すわけにはいかない、どうしても観たい、東劇に行きたいのは山山だけれど、いまの足の状態ではちょっと遠い、さて一番近く、それは二十分で行ける川崎のシネコン、と探索して、イソイソ、といきたいが、足の加減はオズオズ、出かけた。

ビゼーのオペラ作曲家としての出世作と称せられる『真珠採り』、十年先の『カルメン』の奔放さ、激しさとは全く異なる美しく、清廉でおだやかな楽曲に満ちている。Photo_3

Photo_4


未開時代のセイロン島の村、真珠採りの頭領ズルガに扮するのがクヴィエチェン、真珠採りの安全を願うために遣わされた尼僧にディアナ・ダムラウ、ズルガの親友ナディールにマシュー・ボレンザーニという配役。尼僧は純潔と信仰の誓いをたてさせられるが、実はズルガとナディールが昔,愛をあらそった女性レイラであった。レイラはナディールを愛しており、禁断の恋が発覚、ズルガは二人に死刑の宣告をするが、友情と、嫉妬と、頭領としての責任の板挟に苦しむ。Photo_5


クヴィエチェンは卓越した演技力で、その苦悩をあらわす歌唱がすばらしく、フィナーレで一人ずつ出てくるときの拍手はテノールを抜きんでていたと思ったのは、ひいきのし過ぎだろうか。

深海を飛泳する真珠採りの模様を、映像技術と宙乗りとで、表現する特殊舞台美術が臨場感に富み、見応えがあった。途中嵐の来襲で津波のような波のうねりがくり返し押し寄せる映像はちょっと恐ろしかったけれど、迫力があった。


男性群の衣装がいささか現代調すぎるかな、という印象はあったのだけれど、ネットで2010年のチューリッヒの舞台を見たら、味気ないくらい現代そのもので、舞台芸術ではメトのほうがはるかにすぐれていると思われたし、休憩時インタビューでは歌手ばかりでなく、舞台美術の担当者にも種証しさせるので、一段と興味をそそられた。

クヴィエチェンの英語はなめらか、ユーモアに満ちた明るさもあり、母国ポーランドに向けて挨拶をするのも忘れず好感度が増した。

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コメント

読み進むうちに分からない単語が・・・・。さっそく調べてみると、何と「METライブビューイング」というオペラ専門の映画館があるんですね~!感動しました!
演目もたくさん!これなら素人の私にも合ってるかなと羨ましい限りです。
Youtubeで真珠とりの歌を聴きながら書いています。

いよいよ登場しましたね「成澤泉」。朝ドラらしく人物が誇張されていますね。

ちゃぐままさん
福岡でも中洲大洋というところで、上映されていますよ。
メトライブ、正しくはメトロポリタンライブビューイングです。
全国的に上映されています。

丁寧な情報をありがとうございました。
映像とはいえ、津々浦々で楽しめるなんてありがたいことです。

今日、日経の広告に「METライブヴューイング2015-16」が出ていました。その中に
ちゃんと「福岡中洲大洋」が出ていました。こちらで情報を得ていなかったら見逃す
ところでした。
老後は特に情報量で人生の楽しさが変わってきますね。又いい情報をお願いします。

ちゃぐままさん
五月にはまた、ドニゼッティの『ロベルト・デヴェリュー』にクヴィエチェンが出るので、楽しみです。

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