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2016年1月 7日 (木)

手紙

JUN子さん
送ってくださった、フランシス・バーネットの『庭にて』(白い人びと、みすず書房)のエッセイ、蛍光ペン片手に傍線をひきながら、しみじみと読ませていただきました。あなたにはピルチャー本や、小川洋子の卓越した文章を教えていただき、いつもながら、純文学から大衆文学まで、読むべき作品に対する、たぐいまれな嗅覚をお持ちだと、感じずにはいられませんでした。
ご自宅のファックス機で、十枚ものコピーをわたくしのためにしてくださった、お気持ちをうれしく思いつつ、じっくりと活字を追いました。

庭のことは庭で書くべき、という言葉から始まるこのエッセイ、「庭を持っているかぎり、ひとには未来があり、未来があるかぎり、ひとは本当の意味で生きている」という言葉がまさにキーフレーズですね。それは、発芽を見出すときもそうですが、いまのわたしは種をまくことから始める気力が欠けており、未来の時間がどんどん短くなり、確信も持てない状況ではあっても、あの、アロエの花のような、思いがけぬ発見もありましたし、きょうはまた、二年ぶりにクリスマスローズの蕾を見出すという喜びに遭遇したことを思うとき、やはり植物は生きがいをくれているのだと、実感します。

バーネットは『小公子』『小公女』『秘密の花園』などの名作を生み出していますが、ガーデニングにも、これほどの愛情をそそいで楽しんでいて、雑草を根こそぎ退治する格闘にさえ、こたえられない味わいだとまで、表現しているのに、驚きます。

かつて広い庭を持っていたわたしは、草取りはいつも呪わしい仕事でした。とりわけシンボルツリーのようなナツメの樹の根から執拗に生えつづけるトゲのある、実生退治がイヤで、草取り作業を一日伸ばしにする理由のように思っていたものです。

今回、腰やら膝やら痛くなって、水やりも億劫になることを体験しましたが、先日ある場所で出会った、上野毛の一戸建てに住む、ご婦人が、花の苗は枯れてしまって命が終るのを見るのがつらいので、花の樹が好き、一年中花が咲き続けるようにそういう樹や、潅木で庭をいっぱいにしたい、と言われ、水やりは必要ないし、椿、山茶花、沈丁花、シャクナゲ、ルリマツリ、ノウゼンカズラなどの樹を思い浮かべながら、究極の贅沢な発想もあるのだと、納得したことでした。

バーネット女史の「白はまわりのものをみごとに引き立てるから、大量に混ぜるようにしている・・なにも贅沢な花を植えているのではない、ありきたりの平凡な花、ペチュニアとかジニア、マリーゴールドで充分・・」という言葉に学びありでした。
我が家のペチュニアとベコニアは冬を越し、まだ見事に咲き続けているのです。
季節ごとに何を植えたらいいか、プランはできていると思っていたのですが、まだ思いがけない発見があります。

中村妙子さんの達意の文章は、作家の声がそのまま聞こえてくるようにさえ感じられます。
良い作品を読ませていただきました。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

cannellaさんの名文を堪能しました。
書籍の中のエッセイのように心に響きました。
これってお手紙だったんですか?

庭の植物についてもとても参考になりました。
珍しい種類の花をと強迫観念に襲われていまが、
最近はこぼれダネの花で済ませたり・・・。
だからこれを読んで嬉しくなりました。
そういえばヨーロッパの建物の窓辺には赤一色の
ゼラニュームですよね。

ちゃぐままさん
ガーデニング達人のあなたなら、バーネットの言葉に思い当たることがおありだと思いました。
拙ブログを毎日読んでくれる友人、JUN子さんにお礼状と、この本を紹介する記事を書きたいという思いを、合体させ、今、身体がこんな状況なので、手間を省かせていただいて、書いたものです。

cannella さま

お久しぶりです。以前コメントしましたbiancaです。
楽しみにして、お訪ねしています。
今日は、偶然の一致に驚きました。
アマゾンから取り寄せた、「白い人びと」が本日届き、(庭にて)を先ず読んで、
夕食後に、cannella さんのブログを拝見したところです。
私の感想をより的確に表現していらして、たいへん共感致しました。
その気持ちをお伝えしたくて、投稿致しました。
引き続きblog更新楽しみにしております。

Biancaさま
またまたコメントいただき感激です。
こういう本をおとりよせになり、読んでいらっしゃるあなたに尊敬をおぼえます。
わたしがとりよせるのは、近頃北欧ミステリーばかりで、つくづく大衆文学系人間だと、恥じ入っております。

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