ミラノに戻って
ミラノ行列車の二人の座席は車両が異なっていたので、私たちはまたSMSで連絡し合った。
空いた席があったら、移動しようかと思っていたのだが、パドヴァ、ヴィチェンツァで乗客どんどん増え、それが叶わず、やはり、ヴァカンスシーズンはまだ終わっていないのだと感じた。
ミラノ無事到着、スーパーで買い物、ついでに昼食用の惣菜を買い込む。ミニコロッケやミニパイ、ライスサラダ、生ハム、フルーツサラダなど。別コーナーに寿司コーナーがあって、見かけも大層立派。数年まえに一つ二つだけ見かけた寿司もどきみたいなものとは大違い。いまやミラノ人も寿司大好き傾向にあるらしい。
ホテルで大スーツケースピックアップ、わたしはロストバゲージの保険遅延項目請求のため、何時にスーツケースが届いたかを、証明してもらおうと、手書きの書類を用意していたのだが、その日のフロントはインド人、この若い男性、実に横柄、頑固で、そんなものを証明する責任はない、と突っぱね続ける。わたしと保険会社とのやりとりに荷物が届いた時間の証明が必要なためで、ホテルに迷惑は一切かからないといくら言っても、応対は変わらないので、こちらも感情的になって、あなた、どうしてそんなに頑固で感じ悪いの?この事実を知ってるほかの人と変わって、などと言ってしまい、孤立無援でイタリア語混じりの英語でしゃべるのにくたびれ、もう少し別の言い方があったのではなかったかと自問自答しつつの孤立感に、自己嫌悪におちいりそうになる。騒ぎを聞きつけ、ようやくあのときパソコンでトレースしてくれた男性が出てきて、十一時と大きく手書きしたコピーを渡してくれ、その件はおさまった。
あともう一つ、スーツケース一個一泊、5ユーロ請求に対してクレーム、チェックインしたときにそのことは一言も聞いていない、もしそれがわかっていればミラノのイタリア人の友人のところに、預かってもらうこともできたのにと言ってねばる。
ヴェネチアのホテルフロント男性の「イタリアでは言いたいことを全て言わなければ・・・」という言葉が頭の中で鳴り響いていたからだ。
インド人、ついに妥協し、半額でいい、と言った。
思いは達したのに、わたしは疲労困憊しつつ、つくづく悟った。議論をすることが不得手な自分を。
タクシーで一路、リナーテ空港そばの、四つ星ホテルへ。同行の彼女が昨年宿泊したところ、翌日のフライトが早朝なので、この選択、これは正解。空港そばなのに、周囲は緑豊か、サーヴィスもよく、必要なときにすぐシャトルを出してくれる便利さ。インターネットチェックインも、パソコンそばについていてくれて、イタリア式のパソコン操作を教えてくれつつ完了。
イタリアの惣菜昼食はとてもおいしかった。パートナーの品目選択もよかったのだと思うが、駅スーパーの調理がかなり上質になっているのは確かだ。これは今後列車利用の旅行者たちのための朗報ではないだろうか。
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