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2015年3月 9日 (月)

必見、METライブビューイング『ホフマン物語』

イタリアにすごいテノールが出現した、と教えてくれたのは、A子さんである。彼女はミラノ在住だったこともあり、好きなオペラの演目を見つけては、ふらりとヨーロッパに出かけられるひとだから、最近のオペラ歌手情報も生々しく、くわしい。
すごいテノールとは、それも、二人もいて、ヴィットリオ・グリゴーロとフランチェスコ・デムーロ、そのうちのグリゴーロがMETでホフマンを歌うライブビューイングが来るというので、これはもう見逃せない、ぜひにと、いそいそ出かけた。

パヴァロッティの再来、イタリアン・テノールの至宝というふれこみは、確かであった。Photo

グリゴーロはルックスもいいし、声も強さとのびやかさがあり、すでにYouTubeで聴いていたけれど、実際の歌唱の魅力ははるかに豊かで、圧倒された。
ホフマンは最初のクラインザックの物語、合唱のサポートをバックに歌いあげる力強さと、半ば恋心の感傷にふける抒情的なメロディが交差する、実に効果的なこの第一幕のアリアで聴衆をとりこにしておいてから、そののち、三人の恋人とのデュエットで情熱的に酔いしれるように感情をこめるアリアを続けるという、得な役どころ、この映画でのグリゴーロは絶好調で歌いきった。
とかくMETは歌手の寄せ集めでまとまりに欠けるという評判があったりするが、女性陣も文句なしの実力派がそろい、しかも悪魔四役がこれまで主役を演じていたアメリカのバリトン第一人者、トーマス・ハンプソン、各場面、脇を固め、迫力満点、歌唱力も抜群だったと思う。

とりわけ、今回の演出はミューズという芸術の女神の仮の姿、ホフマンの補佐役友人ニクラウスに焦点を定め、アメリカ期待の若いメゾソプラノ、ケイト・リンジーが演じているのだが、このひと、細身でしかも理知的な美女、きりっとしていて、声も容姿にふさわしい澄みきった声量があふれ、各場面をしめくくる力十分だった。Photo_2


舞台装置は隅々に手抜きなく、見せる努力があふれていたが、惜しむらくは衣装、悪魔四役がいつも黒、それとアントニアは瀕死の病人にしてはあまりにも豊満でしかもパステルカラーの薄物の衣装なので、胸の豊かさが目立ちすぎ、せめてもう少し黒っぽい地味めな色彩のものにできなかったのか、と残念に思った。

休憩に出演者やスタッフにインタビューがあるのが、このライブのもう一つの大きな楽しみだが、グリゴーロ、イタリア人、アントニア役のゲルツマーヴァ、ロシア人、いずれも見事な英語で、聴衆の知りたかったことを雄弁に語ってくれていた。

オペラ『ホフマン物語』生の舞台を六回、ライブビューイング二度、ヴィデオも二つぐらい見ているのに、飽きない。舞台制作にいくらでも工夫を凝らすことが可能な神秘的、幻想的なストーリー、歌手の歌いあげ甲斐ある、美しいメロディ、聴衆のわたしもこの先、全く別のキャストを、期待し、再び見に行きたくなることだろう。
(新宿ピカデリー3月13日まで、TOHOシネマズ六本木ヒルズ3月21~27日まで)



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