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2014年9月28日 (日)

『花子とアン』終わる

7時起床、15分からNHKBS『カーネーション』、引き続き、『花子とアン』をみて、ラジオに切り替え、イタリア語講座を聴く、という毎日を過ごしていた。

『花子とアン』はこういう終わり方だろうと想像していたとおりの最終回だったが、数編の別のドラマができそうなほどの、多彩な登場人物を上手に整理して、無難なおさめかたをしたと思う。ただ、妹の娘を養女にするいきさつや、実家がワインづくりに転向するくだりなどの詰めが甘く、具体性に乏しいので、ドラマの緊迫度が薄いという気がするところが多々あった。白蓮が一夜にしてあんなにすごい白髪になるなんていう、怪奇小説みたいな話は本当だったのだろうか。
仲間由紀恵や高梨凛という、目鼻立ちくっきりの美女が脇にまわっていても、吉高由里子というひと、絣や銘仙が似合う楚々とした容姿で、しっかりした存在感を示し、主人公を好演していた。このひとがまだ若者ドラマに端役で出ていたころから知っていたので、はまり役を得るとこんなにも成長していくものだということ、感慨をもって眺めていた。
美輪さんのナレーションは日が経つにつれて完璧度を増し、まさに千変万化の「ごきげんよう、さようなら」だった。あれほどの強い個性を目立たなくする演技の力、さすがだったと思う。

わたしはまだパソコンがこれほど普及していない時代に、十年ほど、小説の翻訳に従事したことがあるので、翻訳家がどれ程名訳をしても、しょせん黒子の役目、光が当たることが稀有であることを知っている。それだけに、翻訳家の一代記がドラマになったのは『赤毛のアン』の訳稿を戦火をくぐって守りぬき、世に送りだした村岡花子さんならではとわかるのだが、翻訳の仕事は原書と分厚い辞書をかわるがわる眺めて原稿用紙を埋めていけばいいというものではない。ネットで調べるということができない時代には、大使館に問いあわせたり、図書館通いをしたり、ときには原作者に手紙を出したりということもあり、その意味での翻訳家の、並々ならぬ苦労を伴う仕事の具体性がこのドラマでは乏しかったという気がした。

でもひとつだけ、これは正にほんと、だと思ったエピソードは、あの出版社の社長が原稿を読まずにボツにしていたというくだりである。
翻訳者が面白い本や、知られざるベストセラーを見つけて、出版社に持ち込んでも、それが採用されるということは賭けに等しいほどの狭き門であったのは事実である。

原作者が没後五十年で翻訳権はフリーになるから、モンゴメリが1943年に亡くなってから93年まで、つまり『アン』訳を52年に出版してからおよそ四十年間、ベストセラー翻訳の印税を独占できた村岡さんは数ある名翻訳家の中でももっとも幸運なひとの一人だったのではないだろうか。

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コメント

翻訳をされていたのですか?
びっくり!
そして、大きく尊敬!!!
くちこが、一人っ子で、高一には父が半病人になってしまっていたので、諦めてしまいましたが、文章や出版に関わる仕事がしたかったのですよ。
34年看護師をやってしまいましたが。
いつか、自費出版をしてみたいと思っています。
ま、実現するかどうかは解りませんが。
安易な出来合いの自己満足のみにはしたくないのでねえ。
相当な気力、無いような気がして。

くちかずこさま
ブログを書き続けることは、めまぐるしい今の世の動きに即した一番の自己表現の場であると思います。
アクセス数を見れば、どれほどの人が支持してくださるかも、いち早く、キャッチできますしね。

shining waterが「輝く湖水」 ですからね〜〜!!!  花子さんの詩的表現力、素晴らしいです!!
先月の母校同窓会支部の村岡美枝さんの講演も聞いて良かったです。 事実はテレビとは違う...でした。
翻訳するために読むのと読書は全然違いますね。その文化や生活等知った上で、 想像の翼が大きく羽ばたかないと!   私にとってのベスト「赤毛のアン」はMeagan Follows主演の映画なのですが...花子さんのアンの世界が大好きなので。

れいこさん
わたしもミーガン・フォローズの大フアンです。アン映画を何度見たことか。プリンスエドワード島に行きたいと思っていたのですが、あの映画で行けなくても満足しました。

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