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2014年8月15日 (金)

バースデイ・プレゼント

孫息子二十一歳の誕生祝も兼ねて、歌舞伎に誘った。
八月納涼歌舞伎は三部制、一番面白そうな、第二部の『輝虎配膳』と『たぬき』を選んだのだが、正解だった。渡辺保氏の批評でも、「抜群に面白い、芝居好きにはたまらぬ二時間四十五分、」とある。
この批評文をプリントアウトし、チケットと一緒に渡す。

ちゃんとしたかっこうしてきてね、と電話で話したとき、どんな?と訊くので、少なくともぞうりと半ズボンはやめてよ、と念をおしておいたのだが、現れた彼、紺のT シャツ、七分丈のパンツ、靴はなぜかオレンジ色のスニーカー、昼の部なので、女性は着物姿が多いが、男性はラフな格好多く、外人はそれこそ、ゾウリのひともいたので、ま、いいか。
わたしより頭一つひょろっと高く、いちいち見上げて話をするのが妙な感じ。そういえば二人ででかけるのは十年ぶりかもしれない。
前から十番目のど真ん中、間際に買ったのに、よくこんないい席、売れずに残っていたものだ。
歌舞伎の典型的な型の多い近松作品だが、孫は息をひそめて見入っていた。戦国の猛将の貫録と猛々しさをこの上なく見事に表現した橋乃助、成長したなあと感動である。そして渡辺氏も絶賛した、萬次郎の越路、朗々とよく響く声、老女役がこれほど際立った舞台もめずらしい。
大佛次郎の『たぬき』は、新歌舞伎だからわかりやすく、テンポも速く、ユーモアたっぷり、孫も声を立てて笑っていた。勘九郎の太鼓持ち蝶作、亡き勘三郎そっくりのしぐさやせりふまわしが随所に見られて、胸がいっぱいになった。七之助も見応え十分の娘役、歌舞伎は立派に受け継がれている。若い人にもっと見てもらわなければ。

孫は意外にも近松もののほうに感動したのだそうで、黒子の役割とか花道が小舞台になるところにつきせぬ興味を呼び覚まされたようだ。

食事は和物がいいというので、『竹葉亭』でうなぎを食べる。
いつのまにか、たばこを吸うようになっていて、喫煙席で二時間を過ごす。
週三回六時間ずつ、スーパーでのアルバイトも七年になる貧乏学生。
歌舞伎と銀座の食事、彼にとっては贅沢三昧の初体験、わたしが死んだあとも忘れないでおぼえていてほしいと願った。

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演劇」カテゴリの記事

コメント

なんとなんと素晴らしいお誕生日祝ですね。感服いたしました。

Tacchanさま
ありがとうございます。
わたくしたちの学生時代には学校から歌舞伎の一幕を見学に行ったものですが、近頃はそういうこともないらしいですね。学校にもよるのでしょうか。

素晴しいおばあさまです!!!  文化を孫の世代に伝えてこその老人の存在価値と日頃思っています。 私も孫ができたら、色々教えたいと思って手ぐすねひいて待っていますが。。。
先日の女の子の言葉遣いについても、同様です。 今の若者は、モンスターや育児放棄親に育てられた子供もいて、可哀想な位です。 他人の子にはあまり注意もできませんが、せめて身内には健全で品格のある大人になってもらいたいですものね! おばあさまの気持ち、よく分かります。 やはり環境が大切ですね。

21歳のお誕生日 素敵なプレゼントでしたね。 
夕べ第3部を夫とみてきました。夫は今月7日に今年3回目の骨折、歌舞伎は到底無理と思って、高1と中1の孫にプレゼントするつもりでした。
しかし、夫はぜひ行きたいというので、歌舞伎座に連絡を取って、何とか実現しました。

夫は77歳、パーキンソン症状を伴うレビー小体症で、治療をする一方 認知症の介護のことを考えていく段階と言われました。

歌舞伎座の社員の皆さんの協力で、1階15列で途中まで、その後車いすの席で歌舞伎を楽しんでまいりました。いつもはうつらうつらしていますが、居眠りもせずに楽しんだようです。駐車場まで車いすを押してくださいました。竹葉亭へはいけませんでしたが、
次回は自宅の車いすを積んでいき、竹葉亭のウナギを楽しみたいと思います。

井上さま
コメントありがとうございます。ご主人さまを歌舞伎にお連れになったこと、感動しました。その行動力に拍手です。歌舞伎は日本人の魂を揺り動かす何かがあります。
ご介護が必要な状態でも、魂は健全でいらっしゃるということです。
あなたのお優しさに胸がいっぱいになりました。
いいお話をお聞かせくださいました。

れいこさん
同感してくださってうれしいです。
わたしよりずっとお若いあなたの世代、その素晴らしい行動力をもって文化を伝えていく担い手になってくださいますように。

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