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2014年8月 7日 (木)

孫息子の行く末

終戦記念日が近づいている。その日は孫息子の誕生日でもある。両親が音楽関係の仕事をしていたので、平和を奏でる、と言う意味で「奏平」と名付けられた。生まれて三日目、新生児黄疸の熱が下がらず、救急車で運ばれることになり、わたしが付き添った。わたしは神に祈った。「わたしの命を縮めてでも、どうかこの子を生きながらえさせてください」と。

三歳のときに父親が心筋梗塞で急死した。いつも父親のベッドにもぐりこんで寝ていた場所を奪われ、ソウヘイの心は荒れた。「ぼくなんか死んじゃえばいいんでしょう」などと言って、急に飛び出していくことが頻繁にあった。

小学生になってから、アレルギー喘息になり、我が家に泊まりにくるとよく発作を起こした。定期的に病院に薬をもらいに行くときに付き添うのは、ジジババの役目であった。

大学生となった彼は、もう発作を起こさない。大病もしたこともなく、精神状態もおだやかで母親のよき相談相手になっている。中学ごろから始めたドラムはかなりの腕らしいが、それで身をたてられるほどではない。大学では情報音楽を専攻、来年は四年生だが、就職活動はどうなっているのだろう。

我が家には妹と母と三人で月に一度くらい訪ねてきて、よくしゃべる。わたしはつい気になって、「奏ちゃん、しっかり働いて、ママを安心させてあげてね」などと言ってしまう。「うん、わかってる」と答えるのだが、娘と電話で話すと、あの子は企業向きじゃないし、こういうご時世だから、いつなにが起きるとも限らない、いまのうちに好きなことをいっぱいさせてやりたいから、なるべく干渉しないようにしている、と言う。

きょう久しぶりに大型書店に行った。一番目立つところに、目立つ本が平積みしてあった。
『好きなことだけして生きていけ』そのそばには『努力不要論』と『頭の良さとは「ヤマを張る技術」のこと』が・・・
こんなわけないじゃないか、と思いながら手にとってぱらぱらページをめくりたくなるのを誘っているのである。
わたしは危うく、ソウヘイに『好きなことだけ・・』本を買いそうになって、ふみとどまった。副題の「やらなかった後悔よりやっちゃった後悔をえらべ」とか「きみにはいやなことをがまんする時間はない」を見ながら、こんなことに左右される人間になってほしくない、と思ったからだ。
彼は自分自身で自分の道を選ぶだろう。本当に人生の真実をおしえてくれる本を沢山読んでいる彼を信じていようと思ったのだ。

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コメント

我が家は晩婚の晩産...それでもひとり娘はサンタクララでマンションを買い自活している。
好きな事をやらせて、ただ努力することは教えたが、未だにトライアスロンに打ち込んでいる。今週も全米のエイジグループの試合にイリノイまで行っている。勿論、独身。
まあ、自活できる様になっただけで致し方ないか?と老夫婦で慰めあっている。困ったもの...健康で本人が満足すれば仕方ないか...親子の間まで「我れは我れ、人は人、されど仲良き」か...

お孫さんへの愛情が満ち溢れていて、胸を打たれました。長男が進路を選ぶとき、亡父がしきりと本人の好きなことをやらせろ、と言っていたのを思い出します。自分自身が文学部に進学して地理を専攻したかったのに、無理やり法学部に行かされたのを引きずっていたようです。好きなことをやった長男は29歳まで定職が決まらず、やきもきしましたが、同じ年に生まれ、ある時期は全く違う分野ながら、同じキャンパスで研究していた大秀才の悲報に接すると、言葉がありません。辛い思いを重ねてこられたお孫さんに、ご自身の納得のいく未来が開けますように。

Massyさま
外国で自活してひとりで暮らすというのは、わたしの時代では叶わぬことでしたが、いま、思うとあこがれだったような気がします。
そのころと、今を比べると、アメリカで暮らすのもむずかしいことが沢山あるのでは、と、時代を追って訪れてみてわかりました。
それを実現していらっしゃるお嬢様、ご立派です。

kikukoさま
おやさしいお言葉、うれしく、胸にしみました。29歳で今の地位へと導かれる道を選ばれたご子息、キャリアも主婦業もそしてあのイタリアの旅の偉業をなしとげられたあなたがお母様だからこそ、と大きく、うなずきました。

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