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2014年8月27日 (水)

女性の暮らしについて 1

テレビもラジオもない軽井沢のステイだったが、ゆったりとくつろげる部屋のソファーや、広々した芝生の木陰のベンチで、読書にふける時間はたっぷりあった。

持参した本は図書館で借りた『ハウスワイフ2.0』

改行が少ない、細かい字がいっぱいのかなりのページ数の本だったが、現在アメリカの女性に起きている、新しい現象についての内容に、すぐ引き込まれ、帰京までに読み終わった。

著者エミリー・マッチャーはハーバード出の三十代のフリーライター、二十世紀に確立したかに見えた女性の社会進出は、不況や異常気象、変わらぬ男性主導傾向にもろくも崩れかけており、家庭回帰の傾向が広がりつつあるという。「本当に大切なことは、ものに埋まれた暮らしでもなければ、ひたすら出世の階段をのぼることでもない・・・実は家庭でしか味わえない心地よさを、人はどこかで求めている」ことに気付いた女性たちが、家庭に戻り、家事の値打ちをより高めるというhome makingに熱中し始めたというのだ。
彼女たちは家事に専念するために仕事を辞めたことをうしろめたい個人の事情ではなく女性としての立派な決断であるという誇りを持ち、徹底的に環境に配慮した暮らしを目指し、自分の口に入るものは自分で管理するという手作り食ブームまで作りだしている。しかもその家事は過去の主婦たちが陥っていた孤独な仕事ではいまやなく、ブログというコミュニティーを通して、新たな仕事の可能性をも生み出しており、こういう主婦のことを著者や「ハウスワイフ2.0」と命名したのである。
しかも手作りにこだわるということは過去の主婦たちの手すさびであった、キルトとか編みものブームへの広がりをもたらし、この本の著者でさえも、ゆったりと編み物をすることにあこがれていたりする。

そういえば、刺し子の記事を求めてネット検索したら、英語圏の手芸関連のブログがあまりに多いのに驚いたのだった。You tubeには実演のプログラムが沢山あるので、月謝を出して習わなくても、独学可能なのである。

およそ二百名以上の女性たちにインタビューしたという、この本の記事の詳細は興味深い。手作りに徹底するあまり、家畜を飼い、畑で野菜づくりして、食費をきりつめている人たちもいるし、「複数の人に育てられた赤ちゃんは脳の感情をつかさどる部分が発育しない」という理論を信ずるあまり、保育園を否定し、家庭のみで育児に専念する人たちもいたりする。

四十年まえ、アメリカ中西部で四年生活したとき、現地の主婦は自分たちのことをハウスワイフと称することを嫌い、ホーメメイカーという呼称を好み、家事をきわめていた。やがて女性解放運動が盛んになり、主婦は自分のアイデンティティー確立のために外にとび出していくようになった。
半世紀のあいだに、アメリカの女性はひとめぐりして、また原点に立ち戻ったということなのだろうか。

人間は死ぬまで食べなければならない。いまや、コンビニやデパ地下やあらゆる場所で、すぐに調理されたものを購入することができるから、家事はいくらでも短縮できる。でも食べ続けなければならないゆえに、自分が口にするものはもっと徹底管理すべきではないか、ということが時折頭をかすめる。

アメリカでいま起きていることは決して一国のことにとどまらない。自分のいま、これからの自分の暮らしに考えがおよび、この本は主に著者の年代のひとたちの探訪記事が多いが、海外のわたしたちの世代はどんなであろうか、と関心を持たずにはいられなかった。
                                  (続く)

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