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2014年7月 8日 (火)

オペラのために

明日は四時間十分というオペラの超大作、リヨン歌劇場の引っ越し公演『ホフマン物語』を観に行く日なので、体調をととのえておかなければ、とマッサージに出かけた。
水泳をするようになって、肩こりは感じなくなってきているのだが、人間の手のひらから伝わる「気」をもらうために、ときどきはマッサージが必要になってくる。

最初に電気をかけてもらい、そのあと、マッサージが始まったとたん、ボタボタと水滴が落ちてくる音がして、それがあちこちで聞こえ、大騒ぎになった。上のほうで、工事のような音がしてはいたが、それが止んですぐの出来事、この建物四階建で、一部アパート、災難を起こしている部屋の住人が留守らしいのだ。幸い、わたしのベッドは水害の外部ではあったが、起き上がってカーテンを開けてみると、天井の蛍光灯の脇から水滴が落ち続けていて、水道管にひびが入ったのか、下水管がどうかなったのか、原因ははっきりしないまま、これって、危ないんじゃない?などとおびえたような声も聞こえる。
十分ぐらい続いて、少しおさまりかけてはいたが、支払をしているあいだも、まだ水は落ちていた。
なんだか建物が泣いてるみたいだな、などと文学的な発言もとびだしたりしていたが、外は晴天なのに、ときならぬ、室内の雨漏り状態から逃げ出すように外に出た。振り返ってみると確かにこの建物、築後四十年ぐらいは経過していそうなみすぼらしさも漂っている。
バス停のそば、地の利がいいし、腕のいい人もそろっているので、繁盛していて、雨漏り状態のときも予約の電話を受けていたけれど、大丈夫なのかしら、と気になりながら、足を速め、帰途についた。

さて、オペラに着ていくもの、きのう自由が丘のバーゲンで買ったワンピースの襟ぐり開きが大きすぎるのが気になって仕方がない。
ネックレスをして、スカーフを首にまいてもどこかしっくりしない。
この開きがもう少しせまければいいのに、と鏡をみながら、手でしわをよせてせばめているうちに、ふと思いついた。前がわだけ、襟ぐりにゴムテープを縫い付けたらどうだろう?
さっそく、襟ぐり寸法の三分の二ぐらいに切ったゴムテープをのばすようにして手縫いで縫いつけてみる。
するとどうだろう!ゆるやかなギャザーができて、着てみると、こうであればいいのにと思っていた通りの開きぐあいになり、ネックレスもうまくおさまり、高齢の肌露出を阻止することができた。

洋裁の腕は次第に落ちてきてはいるが、経験がひらめきを呼び起こすこともあるのだと、これこそ年の功というものかと思ったのだった。

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コメント

ゴムでギャザーを・・・、何と素晴らしい発想でしょう!
襟ぐりが広い服は多いですよね。
私も真似をしたいものがありますが、ベルベットだから
無理かな~・・・。
とに角やってみる価値がありそうです。

ちゃぐままさん
ベルベットでもゴムテープを襟ぐりより一センチくらい下にひっぱりながら手縫いでおつけになってみたら、大丈夫かと思います。あまりきわきわだとゴムが見えてしまいますから。

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