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2014年5月11日 (日)

ラ・フォル・ジュルネ「ディアベッリのワルツによる変奏曲」

今年のラ・フォル・ジュルネ、十人の作曲家、ヴィヴァルディ、モーツァルト、ベートーベン、シューベルト、ショパン、ブラームス、チャイコフスキー、ドヴォルザーク、ラヴェル、ガーシュインが駆けつけてくる、しかもそれぞれ一人の友人を連れて、というのがテーマだそうだが、行きたくなるプログラムを探していたら、馴染みのある、マイナー作曲家の名前が目についた。
ディアベッリ、ピアノを習ったことのあるひとだったら、だれもが一度は弾いたことのある、ソナチネやソナタに登場する作曲者。今回、彼を連れてくるのはシューベルト。

ディアベッリは出版業でも成功していて、自分の考えた主題による変奏曲を公募し、五十人の作曲家たちが携わったという、そのいわくつきの曲集を広瀬悦子さんが二十五曲ずつ二度にわけて演奏するというプログラム、後半の二十五曲中にはシューベルト作も含まれている。
五月三日の夜、まず、シューマンのピアノ五重奏曲を別のホールで聴いてから、このディアベッリの変奏曲後半の二十五曲を聴きにホールBからガラス塔のGへと走った。
会議室のようなG409の部屋、なんだかサロンでピアノを聴くように音が伝わる身近な雰囲気、百人ぐらいだろうか、ぎっしり満席である。

ディアベッリ特有の、ハイドン的ごく単純な主題のワルツが演奏されたあと、二十五曲のヴァリエーションが始まる。軽やかに、華やかに、ときにひそやかに、高らかに、広瀬さんは完璧なテクニックで、緩急自在にピアノを歌わせる。
単純なメロディだからこそ、変奏は変幻自在となり、このテーマを提出したディアベッリ自身の並々ならぬ才能がうかがわれるが、近来これほど胸をおどらせながら、一曲一曲楽しめた演奏があったであろうか。コンサートといえばいつも同じような選曲に半ばあきらめがちであった聴衆のひとりとして、こういう、着想豊かで,面白味のある演奏こそ聴きたかったものだという、満足感と充実感を味わうことができた。
広瀬さん、感情が高まるクレッシェンドが素晴らしく、フォルテッシモも、この一見きゃしゃな体躯でよく出せると思うほどの音、経歴を見たらアルゲリッチコンクールで優勝しているのだ。なるほど、どこかアルゲリッチ自身に似た演奏ぶりでもある。

聴きのがした前半の二十五曲も聴かなければ、と終ってすぐ、チケット売り場に急いだが、思うことはみな同じのようで、すでに売り切れ。
来年のラ・フォル・ジュルネ、しっかりプログラムを研究して前売り券を確保しなければ、とあらためて悟らされた一夜でもあった。


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