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2014年5月 8日 (木)

『グレート・ビューティ/追憶のローマ』

ゴールデンウイークは忙しかった。隠居の身としては、本来なら連休は関係ないのに、見たい、聴きたい、のイベントが重なったからである。
『イタリア映画祭』とラ・フォル・ジュルネ。
場所も同じ有楽町で、期間も同じ。
イタリア映画祭はアカデミー外国映画賞を初めとして各国の主な映画賞を総なめにした『グレートビューティ/追憶のローマ』の前売り券だけは買っておいた。
だれも思うことは同じらしく、この日一度だけ上映の当日は空席まったくなしの超満員。

昼夜のローマの映像が快適なテンポでかなり長く流れる冒頭、果たしてストーリーがあるのか、と疑問を抱くほどだったが、一瞬、一瞬が芸術写真のように圧倒される美しさで度肝を抜かれる。テンポは乱れることなく、物語が始まる。かつて一冊の小説で脚光をあびたあと、筆を絶った高齢のジャーナリスト、コロッセオを見下ろす豪華なアパートに住み、夜ごと社交界に出没する。踊り狂う男女たちをとらえた一瞬の表情の映像もまた目をくぎ付けにする。主人公が退廃の暮らしと新しい出会いに身をゆだね、追憶にひたるアップダウンの進行はあたかも現在のイタリアをも象徴しているかのようだ。途中いくつか書き留めておきたいようなセリフがあったが、見終わったあと、感動の中で茫然としているうちに忘れてしまった。ラスト近く、人間のおぞましい愚行、果たして彼岸にたどりつけるのか、というようなセリフがあった。あの彼岸と言う言葉、あれはわたしの大好きな、イタリア語の言葉、アル・ディラではないか、と確かめたくなってくる。
グレートビューティ、そう、イタリアぐらい究極の美を堪能させてくれる国はない。
そしてこの映画はそれを余すことなく映し出しているのだ。
いや、ほんと、近来にない大傑作。
八月、文化村ル・シネマで一般公開とか。もう一度ぜひ見たい映画である。

二、三年まえまで低迷しかけたように思われたイタリア映画が元気を取り戻したのは喜ばしい。
七月にはイメージ・フォーラムでマルコ・ベロッキオ特集があるというし、これまでのイタリア映画祭の傑作作品も順次公開されるというニュースも胸をはずませてくれる。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

cannellaさまのブログを拝見し「グレート・ビューティ 追憶のローマ」を逃さないようにカレンダーに記し、昨日、文化村に行ってまいりました。
この四月に40年以上続けていた現役から退き、家のことを丁寧にできることに感謝しながら夢のような日々を過ごし、映画館・美術館等にウイークデーに出かけられることがまだまだ不思議な状況です。が、人生の黄昏になった自分をも重ね合わせ考えさせられる映画でした。書き留めておきたい言葉がいくつもありました。

ランチは「タントタント」にて、これもcannellaさまのブログからヒントを。
映画チケット半券でサービスが受けられ、はじめて一人でスパークリングワインのグラスを傾けました。桜色の状態で銀座に。街ゆく人々が場所によって異なることも発見するのも楽しみの一つです。が、今回、東急の無料シャトルバスを利用したのですがメトロリンク日本橋の無料巡回バスと運転手と利用者との関係が逆だったことに驚きました。
おかげ様で素晴らしい一日を過ごすことができました。ありがとうございました。

Tacchanさま
拙ブログがお役にたったなんて、本当にうれしいです。40年続けられた現役のお話いつかうかがえたら、と思います。
日本橋、出かけたいと思いながら、暑さに負けておりました。
ようやく涼しくなりましたね。
そろそろ腰をあげようかと思っております。

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