お弁当とは
近頃のあきれ、びっくりの一番は「キャラ弁」!!
子供のお弁当箱が絵本化している現実である。
たとえば、おにぎりはアニメキャラの顔になっていて、これ以上ないくらい細く切った海苔でメールの絵文字のニコニコマーク、ハムリボンに至ってはハムにダーツをつくり、ハムのベルトでとめ、ハートの楊枝を刺すもの、など・・・
食材はもはや食べものではなく、画材のようになってしまっている。
さぞや切ったあとの残りの無駄がいっぱいなのではあるまいか。
テレビ番組では名人ママの取材があって、その手際を大仰にほめたたえる。何とバスケット三杯分のキャラ弁用具、彼女独自の自慢の秘密兵器はマチ針なのだそうで、チーズを細く切るときに威力を発揮するのだそうだ。
小学校からは給食だから、わずか幼稚園時代の二、三年と言ってしまえば簡単だが、幼児期の食べものへの感覚をおかしくしてしまう危険はないのだろうか。
こういう努力が苦手という主婦だっているし、こんな現象が果たして正しいのかどうか、現場のひとたちの認識を確かめるべきではないかと思う。
ネットから調べてみると、こんな現象は日本独特のものらしい。
なんでも一生懸命、誠実、努力が過ぎたるものになって、マニアックになる日本人の特性をあらわすものだ。
四十年まえ、アメリカに住んだとき、息子の小学校には給食はなかったから、毎日ランチボックスが必要になった。おにぎりを持たせたいのだが、現地の子供たちに黒い海苔を不気味がられるのがいやだと言われ、困った。
アメリカ人のママに相談したら、一番簡単で子供が喜ぶのはピーナツバター・エンド・ジェリーのサンドイッチよ、サンドイッチパンの一枚にピーナツバターを塗り、もう片方にゼリー状のジャムを塗り、両方をピタッと合わせるだけ。あとはポテトチップ。
息子も娘も未だにこのレシピを愛好する。
ある日本人のママがリンゴをウサギ型に切り、ソーセージをタコ風にして持たせたら、生徒みんなにはやしたてられ、子供からもうやめてくれと言われたそうだ。
だが、時代は変わる。
それでもわたしがブリッジの一日トーナメントに持っていく弁当はいつも同じ。梅干し入りのおにぎりと玉子焼き、野菜だけ変えて、漬物だったり、ピーマンのきんぴらだったりにするけれど、いつ食べても変わることなく、わたしには何よりの美味なのである。
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