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2014年4月22日 (火)

『シズコさん』と洋子さん

Sさんからお誘いのお電話があった。「あなた佐野洋子お好きだったわよね。『シズコさん』っていう民藝のお芝居ご一緒にいかが?招待券があるの」
喜んでお供することにした。
『シズコさん』は佐野さんの晩年の作品で、おかあさんのこと、家族の内輪話がかなりどろどろした内容で書かれていて、ちょっと辟易した覚えがある。あれを演劇にすると、どういうことになるのだろう。佐野さんのことより、おかあさんの人生に焦点があたるドラマになってしまうのだろうか。

ところが軽快なポップスの音楽で幕があくと、骨折したおかあさんをだれが面倒みるかということでユーモアあふれる会話がぽんぽんとびかう好調なすべりだし、目がはなせなくなった。
樫山文枝さん扮する佐野洋子は似合ってはいるのだが、実物よりおしとやか、実物の佐野さんは「ナントカじゃん?」などの言葉を連発するもう少し伝法なところがある人だったはず、でもそれはそれで、演技が素晴らしいから見ていてそれほどの違和感はない。
さて肝心のシズコさん、おかあさん役、なんだか普通のひとなのである。本に描かれているのはいつもお化粧ばかりしている派手な感じのひと、という印象だったのだが、それが感じられない,地味なのだ。そのせいか主役のはずなのに影が薄い。
休憩のとき、Sさんもそれを指摘した。富士真奈美みたいなひとに思えたのにね、そう、そう、まさにあのひとなら適役だろうに。

それにしても民藝の観客の高齢化に驚く。杖をついたひとばかり。わたしの隣席の白髪男性、始まった途端、すやすやと眠りこけ、いびきこそかかなかったが、その寝息が邪魔で、思わず、肘鉄砲したいのをなんとかこらえる。

佐野さんの二度目の結婚、離婚、長男溺愛のやりとり、佐野作品のほとんどを読んだというこの脚本家、さすがにこまかいところまで目くばりよく、ドラマ性がきわだつ。それだけに、シズコさんというよりは「洋子さん」像があざやかすぎて、これはもう佐野さんの晩年を描き切ったドラマになりきり、「シズコさん」像がしぼんだ感はあったが、わたしにはうすれがちになっていた佐野フアン当時の記憶を小気味よくよみがえらせてくれる、うれしい演劇鑑賞となった。


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