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2014年2月 5日 (水)

『鑑定士と顔のない依頼人』

封切りから一カ月近くたつのに未だ大入りの盛況で異例の続映、なのにすでに観たという娘、友人、どうだった?と訊くと、きまって、う~ん、と即答しない。

ジュセッペ・トルナトーレの作品、前作『題名のない子守唄』はがっかりだったけど、今回はこれほどヒットしているのだ、見逃すとTSUTAYAに降りてくるのは一年近くかかるし、大画面で見られる楽しみを奪われる、やはり観ておかなくちゃ、と思って、日比谷シャンテに出かけた。

ウイークデイなのに、それでも七分の入り。
主役の超一流のオークション鑑定士、仲間と組んで怪しげな小細工もしている狡猾で、老獪な初老の男にジェフリー・ラッシュはまさにはまり役、オーストラリアなまりの全くない、歯切れのいい英語で仕切るオークション、間髪を入れぬ売値の決定、ド迫力である。

女性経験もない未だ独身の、その彼が、声だけで姿をあらわさない女性依頼人から古い屋敷の家具や美術品の鑑定依頼を引き受け、やりとりするうちに、恋に陥る。
使われている美術品の70パーセントが本物とか、どれも存在感があり、実に美しい。とりわけ声だけだった女性が姿をあらわすところを、男女の裸体彫刻二体のウエストのくぼみからのぞくシーンが、スゴい。さすがイタリア映画だ。美術品の扱いがずしりと胸にひびく。この彫像はカノーヴァじゃないかと思ったら、やはりそうだと、あとでわかった。

トルナトーレ監督、『ニューシネマパラダイス』とはうって変って、ミステリー、サスペンスに憑かれているのではないか、と思うぐらい、導入から、盛り上がり、文句なく引き込まれ、ハラハラドキドキ、素晴らしい。とりわけ、バールの中で窓際に座りっぱなしの、あの小人の女性、きれいな声で数字を数える。あれがカギだったのだ。ああ、なんという巧みな・・・

そしてラスト近く、どんでん返しの衝撃のあと、あの奇妙なアミューズメントセンターの遊具のようなリハビリと前後する画面、フラッシュバックなのか進行中なのか、わからぬまま、静かなラストシーン、キツネにつままれたような状況、このままで帰ると、感想を求められても、う~ん、になるのだろう。

そうはなるまいぞ、と700円払ってプログラム購入。その最後の数ページに「必ず映画ご鑑賞後にご覧ください」の文字と共に、すべてが明らかにされた。
うむ、ドナルド・サザーランド、ちかごろ肥満、とみに悪党面、ちょい役であるはずないと思ったら、やはり・・・

沢木耕太郎氏、去年の新聞批評で、「今年の一作」と太鼓判押したが、わたしも大きくうなずきたい。


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