びっくり映像
先日、NHK『あさいち』でベリーペイントなるものが紹介されたのには、たまげた。
妊婦の、それもおそらく臨月まじかの膨らみきったお腹に絵を描くというもの。
出産への不安を消し、みんなで楽しんで記念を残すという、アメリカ発信の、モダン安産祈願なのだという。
費用は一万五千円、安産祈願というのは宣伝文句として考案されたものだろう。ネットで調べてみると、今やボディペイントは検定試験まである、市場のようだ。
人体の一部に絵を描くのは美大生のお祭り騒ぎのときだけかと思っていたら、出産という一大事を控えている、妊婦の人たちもまきこんで、露出過剰にさせているのには驚くばかり。
現在ではお腹の赤ちゃんの性別、写真まで判明できるほどに、医学は進歩したけれど、出産がほんとうに無事に終わるかどうかだけは、今もって生まれてくるまでわからない。
最近の女性は栄養過多で、それが母乳に影響して、アトピーの原因になると聞かされたことがある。まずは命の誕生を厳粛に受け止め、体調や食生活の改善をこころがけることのほうが大切なのではないだろうか。
9日の朝日新聞で、山田太一さんが、「今の社会は「本当」のマイナスとは向き合わず、プラスの明るさだけを求めているような気がします」とおっしゃっているが、この情報にもそれがあらわれていると思った。
派手なイラストを描いたお腹がずらりと並ぶ光景、何より不妊に悩んでいるひとたちによりプレッシャーを与えるのではと、はしゃぎ過ぎを諌めたくなってしまう。
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私も見ました。
私の妊婦時代は、あの大きなおなかを隠すべく妊婦服を
着ていましたが、今はお腹の形をそのまま見せるのが
自慢とか・・・。
あの映像には同姓として目を背けたい気がしますが、そんなことを
大声でいったら、かえって変な目で見られるかも・・・、とそんな時代に
なっているんでしょうか?
このブログでちょっと喉元のつかえが下りましたo(^-^)o
投稿: ちゃぐまま | 2014年1月11日 (土) 00時11分
幸いにもその映像はみませんでしたが、山田さんの記事は拝見して、大いに意を強くいたしました。つねづねスポーツ選手が「勇気を与えたい」と言っているのに違和感を感じているのは私だけではないと知って、ほっとします。誰かが言い出すと、こぞって同じ言葉を発するのは不気味です。流行語大賞などというものがあって、ますますその傾向を助長しているように思います。
投稿: kikuko | 2014年1月11日 (土) 09時35分
kikukoさま
なるべく衝突をさけがち・・・お互い本当はどう思っているかがわかりにくくなって上っ面で生きている気がする・・・という山田さんの言葉にもうなずきました。
投稿: cannella | 2014年1月14日 (火) 21時20分
ちゃぐままさん
同感していただいて、ほっとしました。
投稿: cannella | 2014年1月14日 (火) 21時30分