知るべきことを知らずして
題して『イタリアで暮らす』という座談会パーティが日伊文化交流サロン「アッティコ」で開かれた。イタリアから持ち帰ったばかりのサラミやモルタデッラソーセージ、サルデーニャのチーズ、うす焼きのパンなどに白ワインつき、ローマの語学学校長をかこんでの催しなので、イタリア語の勉強にもなるわけだが、なにより、その食べ物のほうにつられていそいそ出かけた。
出席者は十人ぐらいで、みんなわたしより若い。女性が圧倒的、男性はひとりだけ。
校長さんは50代くらいの女性で、饒舌、日本人生徒のおだやかさ、つつしみ深さなどを褒めたうえで、これだけは知っておいてほしいということを列挙しはじめた。
日本人からのプレゼントが沢山で困っている、とりわけハンカチ、手ぬぐいの類。イタリアでは不幸のときに涙をふくものだから、贈りものにはしてはならないもののひとつ。それと困るのは、ブローチとかナイフ、ハサミなどの先のとがったもの、もらったひとは小銭を渡して厄払いをするくらいだ、ええっつ?と思った。その日の通訳、ローマ在住の日本人女性がイタリア人へのお土産ナンバーワンはセラミックナイフだと教えてくれてミラノへ持っていったのだ。このサロンで料理を教えているM先生もセラミックナイフを推薦していた。
Eの奥さんは確かに小銭を渡して言ったっけ。こうするのが習わしだから、と。
イタリア人になりきるぐらい長く暮らしているひとでも、こんな大事なこと、知らないでいたってことなのだろうか。
それと、日本人生徒が無意識にすることでとても困るのは、寒い時期風邪をひいて、鼻みずをすすること。絶対にすすってはいけない!! ティシューでぬぐって捨ててほしい。ましてやいくら自分の身体から出たものだからと呑み込むなどもってのほか。
あと、マスク、イタリア人は絶対にマスクをしない、すると異様に思われ、いやがられる。
でもねえ、菌がうつらないようにマスクしているんじゃない? イタリア人ってマスクしないから、街の半数が風邪ひきなんて事態になるのよって言おうを思ったけど、久しぶりのイタリア語、頭がぼお~っとして出てこなかった。
白ワインはおいしかった。そしてチーズもおせんべいみたいなパンも。ソーセージ類がスライスではなくて、サイコロ切りだったのが残念、なんだか別のなにかを食べてるみたいで。
あと、日本人は混んだ電車で人と人との距離が近くてもよく無言で我慢している。イタリアだったら、あんな長時間の無言はあり得ない。これをしきりと力説。
ラスト近く、イタリア人のジェスチュアのプリントをくれて、説明するのだけれど、こんなもこと、覚える段階は先の先、それよりもっと真っ先におぼえるべき肝心なことがいっぱいある、と言いたかったけれど、これも言えずに、ワインでぼおっとなった頭を初冬の風に冷やしながら、転ばぬよう足をふみしめつつ帰途についたのだった。
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目からうろこ・・・というより、何か新鮮な情報に思えました。
国が違えば、習慣がこんなにも違うのですね。
でも、これだけ国際交流がある世の中だから、よその国の習慣でも
大きな心で受け入れることも必要な気がします。
尤も、人を不快にさせないためのエチケット、マナーは十分に学ぶべき
でしょうね。
投稿: ちゃぐまま | 2013年11月15日 (金) 01時18分