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2013年10月27日 (日)

塩野さん賛

政治、経済が苦手である、というより、ほかのことに興味があり過ぎて、関心が持てない。歴史、地理、いわゆる社会科関連がそもそも弱いので、そういうこと全てひっくるめて、考えるだけで、シンドイ。
けど、外国に出かけたり、外国人たちと会話するとそうとも言っていられなくなる。まるでその場の日本人代表みたいに質問を浴びせられるからだ。

手っ取り早く、情報を得よう。この人ならではの本でも買って、というわけで、塩野七生さんの『日本人へ・危機からの脱出編』と、ついでに文芸春秋11月号を購入。
まずは雑誌のほうから目を通す。ここでも巻頭のエッセイ、塩野さんの『イタリアの悲劇』を真っ先に読む。家族を大事にするイタリアが深刻な不況にあえいでいるうちに、いまや家族内の殺傷沙汰が連日のように報道されるようになったという。不況で職が得られず息子や娘、三十代、四十代で無職の状態、しかも同居という状態が続く。<普通の人間にとって自尊心を維持するのは、職を通じてなのだ>塩野さんのこういうスバリが状況の深刻さを裏付ける。
ふいにあの罰金を徴収したときの検札オバサンの真剣そのものの目を思い出した。

塩野七生さん、76歳、同世代の、佐野洋子さんが早世し、桐島洋子さんはちょっと勢いが失せた今、我ら七十代半ば高齢女性の代表者、あこがれのひと、文春新書の『日本人へ』は雑誌の巻頭エッセイを集めたものだが、すでに三巻目も出ていて、売れ筋のようだ。
表紙の帯の大写しの写真にはいくぶん老いもただよっているが、指輪といい、ブローチといい、並々ならぬ趣味、この方のおしゃれはとびきりセンスのよい高額のおしゃれだけに、香気がただよっている。
中身も彼女独特のズバリが沢山、<日本人は個々別々ならば、相当な力を持っているのである。ただし、それらをまとめ継続させることで一層の活用につなげるトップが機能していないだけ>とか、マスコミの<テーマの取り上げ方が、卑しく下品に変わった・・>
民主党が政権をとったときの新聞、わたしも同じ感想を持った。<政権をとるや手の平を返したように、あることないことに批判を浴びせる、いや、批判でなく非難だ、行かず後家の意地悪、とでも言いたいぐらいに・・・問題は「何を取り上げるか」よりも「どう取り上げるか」なのである>

女性の七十五歳以降は人生のすべての局面をほぼ経験し終えていて、生活の根本を成す家事に深くかかわるうちに、それぞれの場で悟りを得ているように思う。異国の歴史、一国の興亡を究めるうちに、自信を持ってその悟りの境地を胸のすくような表現で発言できる稀有なひととして、彼女のこれからに目が離せない。

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コメント

塩野さんの分析は直截的で考えさせられますね。
私は塩野さんの歴史の分野が好きで、現代社会に対する論評は
あまり読んだことがありません。軽めのエッセイぐらいで・・・。
よくもまあ中世の資料を調べたものだといつも感心しています。

やはり歴史を通してみた現代の考察なのでしょうね。
その部分、ちょっと弱いんです・・(´゚Д゚`;)

ちゃぐままさん
わたしは彼女のエッセイだけが好みで、ローマ本は読みかけてやめてしまいました。
同じ時代を生きてきた女性の本音の部分が知りたくて・・・

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