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2013年10月 3日 (木)

およばれの時間

ドゥオーモの裏側、フォンターナ広場から、23番のトラムに乗る。ロマーニャ・エ・パスカリというところで降りる。Eのアパルタメントにはもう数回招かれているのに、いつも出発点が違うせいか、一年半ぶりのせいなのか、方角がわからない。ケイタイで呼び出して、ようやく位置を確認。昨年宿泊したホテルの位置も不確か、まるで初めての場所に来たみたい。方角を即座にキャッチする反応が欠けている自分を意識する。
彼の自宅、六階、奥さんが一人だった。彼は伯父さんの介護に出かけている。
彼女としっかりハグ。きょうはすっぴん、シャワーあがりに着るような普段着で、ちょっとやつれが見える。飾らない姿を見せてくれるほどの親しみが生まれていることをうれしく感じた。親がわりのような付き合いだったその伯父さん夫妻の介護、大変らしい。わたしの介護経験も打ち明け、英語まじりのイタリア語で話は途切れることなく続く。
イタリアでは国の高齢者への支援が十分でなく、イタリア人はヘルパーの仕事につきたがらないので、移民が多く、言葉の苦労があること、それなのに、一時間、20ユーロという高額、ホームもプライベートだと月額3000ユーロもすることなどを知ることとなった。

こういう大変なときによく招いてくれたとあらためて感謝。ひとつうれしかったのはプレゼントした本、『日本人のこころ』(Soul of Japan)をとても喜んでくれたこと、Eからも言われたのだが、六本木の青山ブックセンターで見つけた本、贈って正解であった。

広い屋上のテラス、パラソルの下、テーブルがすでに用意されていた。Eも戻ってランチが始まる。どうしてわたしの食べたいものがわかったの? 食べる機会がなかったミラノ風チキンカツ、そしてこれ以上ないほど見事に切ったボイルドポテトの鉢、美しい緑の小さいリーフのサラダ、こんなにシンプルでおいしいランチはない。E夫人が並々ならぬ、センスの持ち主であるという意識はあったが、料理の腕もこれほどとは!

ストレーザで買ってきたクッキー、好評、奥さん目を細めて、いくつも食べ続けるので、なくなってしまうのでは、と不安になったほど。
プレゼントをもらった喜びを十分すぎるほどにあらわしてくれるひとだと、こころが温まるのを感じた。

健康の話になって、思い出した。ぼくはいつか膝の痛みがもとで死ぬだろう、とEが話したことを。
あなたは本当に優秀なひとだし、友情を大切にしてくれるから、世界中のあなたの友達は皆あなたを必要としている、自分を大切になさい、わたしの歳までまだ13年もあるじゃない、少しずつ体重をコントロールしたら、膝への負担が減るわ、痛みはきっとなくなる、わたしの言葉にめずらしく反論なし、奥さんも大きくうなずいていた。


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コメント

家の中に入れば、日常は日本と共通していますね。
介護は北欧を除けばいずこも同じような感じを受けました。
介護の仕事に付きたがらないのは、共通の問題なのですね。

1か月の介護費用の高さ、屋外での素敵なランチ、そのメニュー、
観光や文化施設とはまた違った、これぞ「生活」というのがわかって
頷きながら読みました。

写真はサルビアとブルーサルビアですよね?

ちゃぐままさん
日本にも問題はありますが、ケアマネがいて、ホームの形式もいろいろある、ヘルパーも同国人が多いというのは、まだ恵まれているように思われました。

サルビアの花はヴィッラ・ターラントの庭で写したものです。

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